経団連の農業活性化委員会(佐藤康博委員長、磯崎功典委員長)は10月5日、東京・大手町の経団連会館において、九州経済連合会(九経連、倉富純男会長)との共催で「農業活性化に向けた企業タイアップセミナー」を3年ぶりに対面形式で開催した。同セミナーは、九州地方の農業の活性化に向けて、多様な産業からの参入や経済界と農業界の連携を推進する観点から、2013年より開催している。
開会にあたり、佐藤副会長・委員長があいさつ。地政学リスク等を背景に国内の生産力強化が喫緊の課題となるなか、九州ではさまざまな先進的な取り組みが進んでおり、多様な連携による農業の活性化にぜひこのセミナーを活用してほしいと述べた。
基調講演では、農業参入支援等を数多く手がけてきたアグリコネクトが、海外の先進事例を紹介しつつ、生産段階からではなくマーケット起点で考えることが日本の農業においても重要であると説明した。
次に、大分県、佐賀県、宮崎県、熊本県が、各県の農業の特長や支援体制などを紹介し、新たな参入への期待感を示した。
続いて、他産業でのノウハウを活かして、農業の活性化に貢献する2社が講演した。ひむか野菜光房は、「地域経済への貢献」を企業理念に、食品機械の製造等のノウハウを活かした、農業における機械化促進の取り組みなどを紹介した。JTBは、観光や食等の視点から地域活性化を担う人材を育成する「食農観光塾」や、全国の幅広い企業や顧客との関係を活かした就農支援の取り組みなどについて説明した。
閉会に際して、平野亘也九経連副会長・農林水産委員長があいさつ。農業者の高齢化等が進むなかで、食や地域を支える農業の活性化に向けて、多様な担い手の確保につながる企業と農業の連携が重要であると強調し、今後への期待を示した。
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プログラムの終了後、交流会を開催した。登壇者と参加者が九州各県の特産品等を囲みながら活発に意見を交換し、盛会のうちに終了した。
【産業政策本部】