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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年10月13日 No.3562 企業に求められる「ビジネスと人権」への取り組み -日本政府のガイドラインの公表、労働組合との連携/企業行動・SDGs委員会企業行動憲章タスクフォース

経団連は9月14日、企業行動・SDGs委員会企業行動憲章タスクフォース(関正雄座長)をオンラインで開催し、日本政府が9月13日に公表した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(ガイドライン)の概要を説明した。また、全日本金属産業労働組合協議会(金属労協)の平川秀行事務局次長、浅井茂利国際局主査から、人権デュー・ディリジェンス(人権DD)における労働組合の対応について説明を聴くとともに、人権DDにおける労働組合の位置付け、労働組合が関わる意義について意見交換した。概要は次のとおり。

■ 日本政府「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」の概要

ガイドラインは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際スタンダードを踏まえ、企業に求められる人権尊重の取り組みを具体的でわかりやすく解説し、企業における理解を深化する目的で策定された。規模、業種等にかかわらず、日本で事業を行うすべての企業を対象としており、その取り組みの範囲は、国内外における自社・グループ会社、サプライヤー等である。企業による人権尊重の取り組みにあたっては、最終目標を認識しながら、深刻度の高い負の影響から優先して取り組み、対応を広げていく姿勢が重要としている。

経済産業省は、今後、企業の実務担当者向けの具体的・実務的な資料を公表する予定である。

■ 人権DDにおける労働組合の対応ポイント(金属労協)

人権尊重の取り組みには、企業活動において最も重要なステークホルダーである労働組合の参画も重要である。そこで、金属労協は、労働組合が企業との人権DDに関する協議、意見交換等を行う際の参考となることを目指し、「人権デュー・ディリジェンスにおける労働組合の対応ポイント」(対応ポイント)を策定した。

対応ポイントでは、従業員は他のステークホルダーとは異なる存在であり、労働組合はその代表として、人権DDにおいて特別な役割を果たしていく必要があるとしている。従業員、労働組合が特別な存在である理由として、(1)事業活動の担い手であること(2)職場における人権の確保には、現場の従業員の持つ情報の活用と従業員の積極的な行動が不可欠であること(3)従業員は、人権侵害の被害者にも加害者にもなり得ること――などを挙げている。企業と労働組合が当事者意識をもって連携して人権への取り組みを進めていくことで、持続可能で強靱なサプライチェーンの構築につながると期待できる。

◇◇◇

意見交換では、ビジネスと人権を社員に浸透させていく方法について質問があり、平川氏は、「人権DDの体制を進めていくためには、中央集権型ではなく分権型で進めていくべきである。例えば、人権DD委員会は情報交換や方向付けをする立場にすぎないので、調達部や人事部等において実際に対応することが求められる」と指摘した。

経産省ニュースリリース
日本政府は「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を策定
https://www.meti.go.jp/press/2022/09/20220913003/20220913003.html

金属労協「人権デュー・ディリジェンスにおける労働組合の対応ポイント」
https://www.jcmetal.jp/kokusai/due-diligence/due-diligence-shiryo/

【SDGs本部】

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