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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年6月9日 No.3547 受容性を高め、多様性を力に -第25回リーダーシップ・メンター・プログラムを開催/安永副会長が講演

安永副会長

経団連は5月12日、会員企業各社の女性役員のさらなる活躍を応援する「経団連女性エグゼクティブ・ネットワーク」の活動の一環として、安永竜夫副会長(三井物産会長)をメンターに迎え、東京・大手町の経団連会館で「第25回リーダーシップ・メンター・プログラム」を開催した。74名の女性役員が出席し、講演を聴くとともに意見交換した。講演の要旨は次のとおり。

■ 真のグローバル企業になるために

グローバルで戦える日本人を育てることは大切であるが、少子高齢化の進行とともに日本のタレント・リソース・プールは縮小していく。そのなかで非日本人のローカルタレントをいかに引き上げていくかがカギを握る。非日本人と日本人によるハイブリッドのチームをつくり、マーケットにおいて存在感のある仕事をつくる。さらにその事業をうまく回していくことで真のグローバル企業になれる。機会格差を減らしていく意味でレベル・プレイング・フィールドへのコミットが重要であり、当社においても会議や資料の英語化を徹底的に進めている。

■ 受容性を高め、力に変える組織運営

商社という業態はかつて、「女性社員を危険な地域に出張させていいのか」といった、ある意味不平等な固定観念があった。今の若い世代は、社員一人ひとりが会社に対して期待することを会社が提供できなければ簡単に辞めてしまう。その意味でも女性が活躍できるかたちでいかにキャリアプログラムを組むか考える必要がある。現在は初期教育プログラムを短期で終わらせ、ライフイベントを迎える前に早く次のキャリアにチャレンジさせようという考え方である。

「三井物産は出入り自由」の考えをベースにさまざまな制度をつくった結果、人材の流動性が上がっている。離職後に外部で実績を積んだ人材が、また当社でチャレンジしたいと戻ってくることもある。商社は常にポートフォリオを組み換えている。より成長性の高い分野に人、金、事業を移していくなか、トップダウンの人事よりも自らが志願して異動する方が組織も個人も伸びる。ダイバーシティを認め、受容性を高め、その受容性を力に変える組織運営を意識している。

■ ダイバーシティの価値

ダイバーシティは非常に時間と手間がかかる仕事だということを33歳で世界銀行に出向した際に実感した。一方で、対話を重ね、時間をかけて練り上げたプランは、極めてユニバーサルかつレセプティブで、どこに持って行っても理解される内容になる。自分の考えを相手に理解させようとすることは当たり前だが、そのうえで理解させたことをベースに共通のウィンウィン・ストラテジーをいかにつくっていくかが重要である。

■ アニマル・スピリッツを発揮せよ

トップがその仕事を自分なりに理解し、納得感を持ったうえで部下に任せることで組織に一体感が生まれる。任せた以上は結果が出るまでとやかく言わずその人を信頼する。忍耐は大事である。

また、新しいマーケットであれインダストリーであれ、人がまだ触れていないところにいかに自分たちなりの橋頭堡を築いていけるかという姿勢が重要である。すべての産業において、国内にとどまっていては成長の余地は限られる。海外との接点を増やし、海外の伸び行く市場を自分たちでモノにしていくために、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)は欠かせない。新天地を切り拓くジャングルガイドを目指して、「アニマル・スピリッツを発揮せよ」と若い人たちに伝えたい。

◇◇◇

講演後、リーダーシップやその心構えなどについて活発な意見交換が行われ、安永副会長から多岐にわたるアドバイスが送られた。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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