経団連(十倉雅和会長)は6月1日、東京・大手町の経団連会館で定時総会を開催した。新型コロナウイルス感染症対策の観点から、会場への入場人数を制限するとともに、ウェビナーでの配信を行うなど、必要な対策を講じた。約80名が会場に出席したほか、会員代表者をはじめとする約400名が、ウェビナーで総会の模様を視聴した。
総会では、新体制を決定し、副会長として新たにアサヒグループホールディングスの小路明善会長、東京海上ホールディングスの永野毅会長、日本電気の遠藤信博会長、旭化成の小堀秀毅会長、野村ホールディングスの永井浩二会長の5名が選任された。また、2021年度事業報告および決算が報告されたほか、2022年度事業方針および収支予算を承認した。
来賓あいさつとして、岸田文雄内閣総理大臣をはじめ、萩生田光一経済産業大臣、後藤茂之厚生労働大臣からビデオメッセージが寄せられた。
岸田首相は、メッセージの冒頭で、新型コロナ対策への協力に感謝の意を表するとともに、水際措置の緩和等を通じて、社会経済活動を回復していく意欲を示した。また、新しい資本主義の実現に向けて、気候変動等の社会課題を「成長のエンジン」とし、民間投資を呼び込み、官民連携で社会課題を解決しながら、経済を成長させていくとした。ロシアによるウクライナ侵略については、G7として断固として対応する決意を述べた(全文別掲)。
■ 十倉会長あいさつ(全文別掲)
十倉会長はあいさつにおいて、ロシアによるウクライナ侵略に触れたうえで、「われわれ企業がグローバルな経済活動を行えるのも、国際社会の平和と安定のもと、自由で開かれた国際経済秩序があってこそである。経済、外交、安全保障を一体的にとらえた取り組みを進めていくことが肝要である」と述べた。また、ポストコロナにおける、持続可能で活力ある経済社会の実現を進めていかなければならないとしたうえで、経団連が目指す「サステイナブルな資本主義」の実践に向けて、グリーントランスフォーメーション(GX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)、スタートアップ振興等に取り組むとした。加えて、ソフトパワー、バイオ、モビリティといった、今後の日本経済の成長をリードすることが期待される分野の国際的な産業競争力を一層強化するため、新たな委員会を創設し、取り組みを強化していくと述べた。
さらに、今年5月に経団連、日経連が統合20年を迎えたことについて、統合の原点に立ち返り、「人への投資」や「働き手の価値協創」といった視点を大切に、「成長と分配の好循環」を実現していくとの決意を表明した。
第34回理事会を開催
経団連は6月1日の定時総会終了後、東京・大手町の経団連会館で、第34回理事会を開催した。理事会では、各政策委員会の委員長について決定するとともに、顧問等の委嘱、会員異動に関する報告がなされた。
【総務本部】
岸田首相ビデオメッセージ~来賓あいさつ
-新しい資本主義のもと、官民が連携して、社会課題の解決と経済成長を同時に実現していく
十倉会長総会あいさつ
-サステイナブルな資本主義を実践する
十倉会長が新任副会長と共に記者会見
定時総会記念パーティーを開催
-感染症対策を講じたうえで立食パーティー形式にて歓談