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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年11月25日 No.3523 最近の税関行政 -ロジスティクス委員会

経団連は11月9日、ロジスティクス委員会(内藤忠顕委員長、池田潤一郎委員長)をオンラインで開催し、財務省の阪田渉関税局長から、最近の税関行政等について聴いた。概要は次のとおり。

■ 最近の税関行政

税関は、(1)貿易の円滑化(2)安全・安心な社会の実現(3)適正かつ公平な関税等の徴収――の3つの使命を掲げて業務に取り組んでおり、来年発足150周年を迎える。

昨今、電子商取引の拡大、新型コロナウイルス感染症の蔓延、デジタル化の進展など、税関を取り巻く環境は大きく変化している。例えば、「巣ごもり需要」により越境電子商取引が大幅に拡大し、2020年の航空貨物輸入許可件数は対前年比1.5倍超に増加した。財務省は、先端技術の活用による税関業務の一層の高度化・効率化、利便性向上に向けた中長期ビジョン「スマート税関構想2020」を昨年6月に取りまとめており、こうした環境変化も踏まえ、同構想に基づき取り組みを進めている。

■ 「スマート税関構想2020」の進捗状況

公表から1年が経過した同構想の主な進捗状況は次のとおりである。

まず、国内主要空港において税関検査場電子申告ゲート(Eゲート)の配備を進め、厳格な検査と迅速な通関の両立を図っている。

また、納税のキャッシュレス化、従来は書面提出が必要であった一部手続きのデジタル化を実現したことに加え、法令順守体制等が整備された事業者に対して手続き上の迅速化・簡素化措置を提供するAEO(認定事業者)制度の利用拡大に取り組むなど、利用者の利便性向上やパートナーシップの強化に努めている。

同時に、海岸線や離島の監視・取り締まりへのドローンの活用の検討や、ビッグデータとAIを活用した通関審査・検査業務支援システムの開発を進めるなど、先端技術の導入による業務の高度化・効率化を推進している。

■ EPAをめぐる動向

わが国は、各国・地域との経済連携協定(EPA)等の締結を進めている。わが国の貿易総額に占めるEPA等発効済み・署名済みの国・地域との貿易額の割合は8割に達した。22年1月には、中国、韓国との初のEPAであるRCEP(地域的な包括的経済連携)協定が発効予定である。これにより、工業製品の対日無税品目の割合は中国が8%から86%、韓国が19%から92%に上昇する。

また、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)については、英国に続いて中国と台湾が相次いで加入要請を提出し話題となった。わが国は、加入要請国・地域が、CPTPPの高いレベルを完全に満たす用意ができているか見極め、戦略的な観点や国民の理解を踏まえながら対応していく。

【産業政策本部】

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