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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年11月25日 No.3523 常任幹事会で長崎山梨県知事が講演

長崎氏

十倉会長

経団連は11月2日、東京・大手町の経団連会館で常任幹事会を開催した。山梨県の長崎幸太郎知事が「with/postコロナの時代に持続可能な社会を協創する」と題して講演した。概要は次のとおり。

■ 山梨県の新型コロナ対策
~「超感染症社会」に向けた挑戦

山梨県は、全国でも特徴的な新型コロナウイルス対策で成果を挙げている。新型コロナに限らず、今後新たな感染症に対峙することがあっても、命と生活・経済を両立させながら不断に前進し続けることができる「超感染症社会」への進化を目指し、施策を構築してきた。

その1つが「やまなしグリーン・ゾーン構想」である。これは、宿泊業、飲食業等を営む事業者の感染症対策に対して、県が公的な認証(“お墨付き”)を与えることにより、消費者の安心感を高めるもので、県内での普及率は98%に達している。この取り組みが功を奏し、山梨県における新型コロナ関連の経営破綻数は、全国最小クラスとなっている。「安全に対する信頼」こそ山梨県における重要な価値と位置付け、インバウンドの再開も視野に、国際的にも発信していきたい。

■ ウィズ・ポストコロナの社会像・地域経営戦略

山梨県では、ウィズ・ポストコロナの新しい今後の社会像として、(1)超感染症社会(2)脱炭素社会(カーボンニュートラルを先導する社会)(3)地方分散型社会(東京一極集中ではなく多核分散型社会)(4)地域協創社会(産学官が高度に連携して付加価値を向上させる社会)――の4つを念頭に置き、地域の「強み」や持てる「資源」を最大限活用した戦略を構築している。

県の強みとしては、有感地震の数や水害が少ないなど災害に対する強靱性、国土軸上の結節点に位置する交通利便性、東京圏等との距離的近接性、地理的・文化的な非日常性、安心して生活できる快適性などがある。また、大地の恵みともいうべき県有財産、産業の礎となっている名水の恵み、日照時間日本一を誇るひかりの恵み、自己肯定感の高い子どもを育む風土の恵みといった豊富なリソースもある。

これらを活かし、現在、具体的には、水素・燃料電池の研究、次世代サイバーインフラ構築へのコミット、テストベッド(注)の聖地化、防災バックアップ機能の向上に取り組んでいる。とりわけ、山梨県の災害に対する安全性と東京圏との距離的近接性を活かし、国のバックアップ機能を分担するとともに、企業のBCP対策の受け皿となるよう注力している。山梨県への移転や新規立地を検討する企業があれば、オール県庁体制のもと、全力でサポートする所存である。そのために、防災バックアップ・サポートデスクを設置し、サポート・コンシェルジュがワンストップで要望を承る仕組みを整える(※)。持続可能な社会を構築するパートナーとして山梨県を選んでもらえるよう、知事以下、全力投球で皆さまの期待に応えていきたい。

(注)実際の運用環境に近い状態で先端技術の実証実験を行う“場”

※ やまなし防災バックアップサポートデスク
https://www.pref.yamanashi.jp/bousai/bosaibackup/support-desk.html

【総務本部】

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