経団連は、6月15日に公表した提言「新時代の日ASEAN関係~連携と協創による持続可能な社会の実現に向けて」において、日ASEANの連携・協創関係を構築すべき事項を示すとともにASEAN諸国との間で各種の政策対話を実施していくことを表明した(6月17日号既報)。
その政策対話のキックオフとして、経団連は8月30日、日本アセアンセンター(ASEAN諸国と日本政府が1981年に設立した国際機関)とウェビナーを共催。アジア・大洋州地域委員会ASEAN経済連携強化部会の田中秀幸部会長が、同提言を説明するとともに質疑応答を行った。ASEAN諸国の政府や企業関係者など約180名が参加した。
田中部会長は、提言の背景を踏まえつつ、そのポイントを紹介。世界は現在、グローバル環境の変動や気候変動をはじめとする地球規模課題の顕在化等、新たな課題に直面している。そうしたなか、長年にわたり緊密な経済関係を築いてきたわが国とASEANは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを共に進めていくために、協力関係を一層強化していく必要があると強調した。
その後の質疑応答では、感染症対策や防災協力などASEANのレジリエントな社会実現に向けた経団連の支援の方策、カーボンニュートラル実現に向けた日ASEAN協力のあり方などについて意見が交わされた。
日本アセアンセンターの藤田正孝事務総長は総括として、日本とASEANとの関係強化に向けて、官民がオールジャパンとなって取り組むことが重要であると強調した。そのうえで、日本とASEAN諸国とは共通の課題を抱えており、今後、経団連がASEANとの関係を一層深め、「心と心が触れ合う関係」を深化させながら、持続可能な社会の構築へ寄与していくことに強い期待を寄せた。
【国際協力本部】