経団連(十倉雅和会長)は9月2日、環境省、経済産業省との共催で、「J4CE注目事例集発刊・WEBサイト開設発表式」をオンラインで開催した。
J4CE(ジェイフォース、英文名称=Japan Partnership for Circular Economy)は、循環経済(サーキュラー・エコノミー)へのさらなる理解と取り組みの促進を目指し、官民の連携を強化するため、経団連、環境省、経産省が創設団体となり、今年3月に立ち上げたプラットフォームである(3月25日号既報)。
小泉進次郎環境大臣、宗清皇一経済産業大臣政務官、オランダのヤン・ペーター・バルケネンデ前首相、経団連からは十倉会長と野田由美子審議員会副議長・環境安全委員長が出席した。注目事例集の発刊およびウェブサイトの開設は、J4CEの約半年間の活動成果である。ウェブサイトには123の参加企業・団体から提出された取り組み事例131件を全件掲載し、そのなかから特に注目度の高い28事例を冊子に取りまとめた。
小泉大臣は、「資源の有限性という制約下で、持続可能なかたちで資源を利用する『サーキュラー・エコノミー』への移行は世界的課題である」と強調。官民連携により「日本企業の先進的なサーキュラー・エコノミーへの取り組みをG7やG20各国を中心に発信・共有する」と述べ、世界全体でのサーキュラー・エコノミーへの移行を主導する方針を示した。また官民対話を行い一層議論を深めていくと述べた。
宗清大臣政務官は、経産省が取りまとめた「循環経済ビジョン2020」や「サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス」などを通じて、「環境省、経団連とも連携しながら、循環経済を経営戦略・事業戦略に位置付ける企業の取り組みを後押ししていく」と述べた。
十倉会長は、「サステイナブルな資本主義の実現に向け、環境問題は最重要課題である。気候変動分野のカーボンニュートラルと並んで、資源循環分野ではサーキュラー・エコノミーを実現する必要がある。この事例集を会員と共有し、わが国のサーキュラー・エコノミーの実現に取り組む」との決意を示した。また、「海外へ積極的に情報を発信し、日本企業の取り組みをアピールすることで、地球規模のサーキュラー・エコノミーに貢献する」との意欲を示すとともに、経団連において官民対話に向けたアンケートを実施し、阻害要因や問題意識を調査していることを明らかにした。
バルケネンデ氏は祝辞として、「日本で熱心にサーキュラー・エコノミーが推進されており、J4CE発足から半年余りで130以上の事例が登録されたことはうれしい驚きである」と歓迎の意を示したうえで、「オランダの多くの企業は、サーキュラー・エコノミーが利益につながるビジネスモデルであると認識している。日本とオランダが相互に学び合い、国際的な連携を強化すべきである」との考えを示した。
会合ではそのほか、エレン・マッカーサー財団、セブン&アイ・ホールディングス、花王、地球環境戦略研究機関による討議を行った。
循環経済パートナーシップ(J4CE)ウェブサイト https://j4ce.env.go.jp/about |
【環境エネルギー本部】