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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年6月10日 No.3502 公益通報者保護法に基づく指針案に関する意見交換 -経済法規委員会企画部会

経団連は5月19日、経済法規委員会企画部会(佐久間総一郎部会長)を開催し、改正公益通報者保護法(改正法)の規定に基づき事業者がとるべき措置に関する指針案(指針案)について、消費者庁から説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。

■ 消費者庁説明

2020年6月に成立した改正法の規定に基づき、従業員300名超の事業者は、公益通報対応業務従事者(従事者)を定める義務および公益通報に適切に対応する体制の整備義務が課される。その適切かつ有効な実施を図るために、事業者がとるべき体制整備に関する指針を策定する。指針案は現在、パブリック・コメントの手続き中である。

企業の関心が高い従事者として定めなければならない者の範囲については、指針案では「内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関して公益通報対応業務を行う者であり、かつ、当該業務に関して公益通報者を特定させる事項を伝達される者」としている。ラインの上司への通報は窓口で受け付けていないため、上司は従事者として定めなければならない者には該当しない。また、調査に関与した者であっても、公益通報対応業務を主体的に行っているとはいえない場合には従事者として定めなければならない者には該当しないため、例えば調査の過程におけるヒアリング対象者は従事者と定めなければならない者には該当しない。公益通報者を特定させる事項も、公益通報者を排他的に認識できる場合に限られる。従事者として定めなければならない者が際限なく広がることにはならない。

従事者は守秘義務を負い、正当な理由なく公益通報者を特定させる事項を漏らした場合、刑事罰の対象となる。検討会での整理も踏まえれば、正当な理由には、ハラスメントが公益通報に該当する場合等において、公益通報者が通報対象事実に関する被害者と同一人物である等のために、調査等を進めるうえで、公益通報者の排他的な特定を避けることが著しく困難であり、当該調査等が法令違反の是正等にあたってやむを得ないものである場合も含まれると解される。

◇◇◇

意見交換では、委員から、従事者が過度な萎縮をせずに調査・是正を実施できることが肝要であり、その観点から指針等が整備されることに期待するとの意見があった。なお、経団連は5月31日、指針案に対するパブリック・コメントに意見を提出した。

※改正公益通報者保護法に基づく体制整備に係る指針案等に対する意見
http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/047.html

【経済基盤本部】

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