経団連の日本NIS経済委員会(國分文也委員長)は3月16日、ウズベキスタンのサルドル・ウムルザコフ副首相兼投資・対外貿易大臣とオンラインで懇談し、ウズベキスタンの新型コロナウイルス感染症をめぐる状況や政治・経済の動向、日本との関係等について説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。
■ 新型コロナをめぐる状況
ウズベキスタンも新型コロナの影響を大きく受けたが、隔離政策、国境閉鎖をはじめとした水際対策、検査会場の増設や新病院の建設等の政府による徹底した感染症対策により、被害を最小限に食い止めている。経済対策については、専門組織を設置し、輸出入にかかる問題に迅速に対応することでサプライチェーンを維持するとともに、労働者や企業に対して補償や免税措置を行った。現在は毎日の新規感染者数も落ち着いている。海外からの訪問者は、新型コロナ感染の陰性を証明できれば、隔離されることなく入国が可能である。日本からの来訪を歓迎する。
■ 最近のウズベキスタン
2016年のミルジョエフ大統領就任以来、ウズベキスタンは改革に取り組み大きな変化を遂げた。外貨兌換の自由化、銀行や国有企業の民営化、規制撤廃、免許制度の一部廃止、許認可手続きの簡素化等を進めてきた。
経済の状況については、昨年の世界経済が3.5%のマイナス成長と見込まれるなか、ウズベキスタンは1.6%のプラス成長を維持した。債務残高は対GDP比40%にとどまっており、十分な外貨準備高も有し、財政は安定している。
■ WTO加盟交渉
WTOへの加盟交渉については、17年12月に15年ぶりに再開し、以降、優先課題に位置付けている。昨年初めに、加盟に必要なすべての文書を提出し、向こう2~3年以内の加盟を目指し交渉を続けている。加盟に向けては日本から多大なサポートを受けており、心から感謝する。
■ 日ウズベキスタン関係
日本はアジアにおいて最も重要な中長期的パートナーであり、関係をさらに深化させたい。19年にはミルジョエフ大統領の訪日が実現した。日本企業との間で、これまでに多くのプロジェクトが誕生し、現在は33社もの日本企業がウズベキスタンに進出している。対外貿易省内に新たな組織を設置し、日本企業の進出を支援する体制も整えている。中央アジアの中心に「小さな日本」をつくりたい。ぜひ支援してほしい。
【国際経済本部】