経団連の中西宏明会長は3月22日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。
中西会長は、緊急事態宣言の全面解除に関して、「医療提供体制がかたちになってきたことから、いったん宣言を解除する、という判断だと受け止めている」とし、政府の決定を支持する旨を表明。「引き続き新型コロナウイルスの変異状況やワクチンの効果などを注視する必要がある。経済界は政府の総合判断を受け止めて協力し、同じ道を歩む」と強調した。
また、東京オリンピック・パラリンピックの開催について、「海外からの観客を受け入れないこととしたのは、観客の安全を第一に考えた苦渋の決断だと理解している。困難な時期にスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックを開催すること自体に大きな意義がある」と述べた。
春季労使交渉については、「新型コロナの影響を踏まえれば、業態ごとに回答がばらつくのは当然。今回の交渉では、各企業の労使が、賃金引き上げのモメンタムを維持しようという使命感を持って、意義深い議論をされたと認識している」とした。賃金引き上げのモメンタム維持の重要性についても、「経団連と連合の認識に大きな隔たりはない。組合員の労働条件の向上などについては、実態を踏まえて議論していきたい」と述べた。
今後わが国が目指すべき対米・対中政策については、「米中対立の背景を十分認識したうえで、両国との対話のチャネルを官民挙げて多面的に広げ、折衝を進めることが必要。新しい外交関係を構築すべき時代に直面している」と述べた。
【広報本部】