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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年2月11日 No.3487 民主主義国による技術同盟(テクノロジー・アライアンス)の確立を -米国の安全保障シンクタンクと意見交換

経団連は1月26日、米国の安全保障政策に影響力を持つ、新アメリカ安全保障センター(CNAS)との懇談会を開催し、民主主義国による技術政策の協調のあり方についてのCNASの提案に関する説明を聴くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ リサ・カーティスインド太平洋安全保障プログラム長

2018年にトランプ前政権が取りまとめたインド太平洋に関する戦略は、自由で開かれた国際秩序を域内で広げることを企図していた。新型コロナウイルス感染症対策をきっかけに、この取り組みの重要性は増しており、新政権でも維持されるべきだ。自由で開かれた社会・市場を維持するために、民主主義国は一層の協調が求められる。先端技術が非民主的なかたちで使われることに対抗し、機微技術に関する安全なサプライチェーンを確立しなければならない。

CNASでは日米の協力をさらに後押しするため、3月末に、新型コロナ後の世界での日米同盟に関する報告書を公表する予定である。

■ マーティン・ラッサー技術・国家安全保障プログラムシニアフェロー

権威主義的な国々が台頭している一方、民主主義国は互いに異なる先端技術を有しているものの連携が不十分である。

こうした問題意識のもと、CNASは日本のアジア・パシフィック・イニシアティブ、ドイツのメルカトル中国問題研究所と共に、昨年10月に報告書「Common Code」(※)を取りまとめた。

ここでは、技術水準の高い民主主義国であるG7各国と豪州、オランダ、韓国を中心的なメンバーとする技術政策の協調のための「テクノロジー・アライアンス(技術同盟)」を提案している。

テクノロジー・アライアンスが優先して取り組むべき事項は、(1)サプライチェーンの安全と多様性の確保(2)機微技術の流出防止(3)新たな投資メカニズムの構築(4)国際標準の正当性・健全性の回復(5)技術の利用方法に関する規範・価値のコード化――である。

また、権威主義国との戦略的な競争において民主主義国が優位に立つためには、輸出管理等を用いた技術の流出防止のみならず、機微技術の開発・強化に関する協力が、究極的には必要となる。そのためにも、現在は各国でバラバラな研究開発予算や人的資本を協調して強化すべきである。

■ 大矢伸アジア・パシフィック・イニシアティブ上席研究員

機微技術の定義を国際的に調整することが重要である。どの技術がチョークポイントとなるかを考える際には、よりダイナミックな視点から考えるべきであり、この点について、日本の産業界の知見に期待したい。

【国際経済本部】

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