1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2021年1月7日 No.3482
  5. IFRS財団市中協議文書「サステナビリティ報告」に対する意見を提出

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年1月7日 No.3482 IFRS財団市中協議文書「サステナビリティ報告」に対する意見を提出 -金融・資本市場委員会ESG情報開示国際戦略タスクフォース

国際会計基準(IFRS)を策定する国際会計基準審議会(IASB)の母体であるIFRS財団は、市中協議文書「サステナビリティ報告」を公表し、意見募集を行った。市中協議文書では、気候変動等のサステナビリティ情報の統一的な開示基準の策定を求める声が国際的に高まっていることを踏まえ、IFRS財団のもとに「サステナビリティ基準審議会(SSB)」を設置する提案を行っている。

これに対し経団連は、金融・資本市場委員会のもとに設置した「ESG情報開示国際戦略タスクフォース」で検討を行い、12月18日、市中協議文書に対する意見を、IFRS財団に提出した。

同意見では、IFRS財団がグローバルなサステナビリティ報告基準の開発を行うことを支持したうえで、IFRS財団が、SSBを設置することとなった暁には、経団連として、これまでのIFRSの開発と並行して、サステナビリティ報告基準の開発に積極的に貢献する用意があることを表明している。そのほかの主な意見は以下のとおり。

  1. (1)IASBと同程度の数のSSBメンバーを最低限確保するとともに、IASBのメンバー構成を参考に多様な国・地域・バックグラウンドから選出すべきである。

  2. (2)SSBの基準開発に対する資金拠出の協力を各国に求めるのであれば、IFRS財団において、資金面の負担軽減の努力を行うことが前提となる。SSBメンバーの数をIASBと同程度確保しつつ、資金面の負担軽減を行うためにSSBメンバーの多くを非常勤とすることや、ボード会議等をオンラインで行うといった合理的対応を検討すべきである。

  3. (3)各企業の開示の柔軟性を高めるため、SSBがサステナビリティ報告基準を開発する際には、細則主義ベースは避け、IFRSと同様、原則主義ベースに基づくべきである。

  4. (4)気候変動に最も高いプライオリティーを置いて国際的に調和された基準開発を進めるべきである。

  5. (5)SSBは、投資家にとって重要な情報である「非財務要素が企業の価値創造に与える影響」についての開示(シングル・マテリアリティ)にまずは注力すべきである。

  6. (6)サステナビリティ情報についての監査・保証の必要性や手続きは、国際的にコンセンサスが得られているとはいえないことから、導入に向けた議論を拙速に行うべきではない。

※ 同意見の全文は経団連ウェブサイトに掲載
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/128.html

【経済基盤本部】

「2021年1月7日 No.3482」一覧はこちら