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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年11月17日 No.3293 廃棄物処理法の見直しに関する論点の検討案聞く -廃棄物・リサイクルワーキング・グループ

経団連は10月25日、東京・大手町の経団連会館で環境安全委員会廃棄物・リサイクルワーキング・グループ(杉澤元達座長)を開催し、環境省の相澤寛史廃棄物・リサイクル制度企画室長から、廃棄物処理制度専門委員会における議論の状況等について説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ 不適正な取り扱いの未然防止策の強化

  1. (1)マニフェスト制度の見直し
    廃棄物処理情報の透明化・適正管理の観点から、電子マニフェストの利用拡大のために、段階的に義務化するなどの対策を講じるべきではないかとの意見がある。一部義務化を実施するにあたっては、猶予期間の設定や負担軽減措置等について検討する必要があると認識している。

  2. (2)有害物質管理のあり方
    有害物質の処理委託の際の情報伝達について、現在は必要な項目を例示したWDS(廃棄物情報データシート)ガイドラインが環境省から示されている。これを踏まえ、専門委員会ではより具体的に情報提供を義務づけるべきだとの議論がある。また、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」の規制対象物質を含む廃棄物の処理について制度的なあり方を検討し、一層の適正処理を推進したいと考えており、別途検討会を設けて専門的に議論している。

■ 健全な資源循環の推進等

  1. (1)廃棄物等の管理の適正化
    いわゆる不用品回収業者により回収された使用済み電気電子機器等が雑多なものと混ぜられた金属スクラップ(雑品スクラップ)については、スクラップヤード周辺やそれらの物品の輸出先国の生活環境に悪影響を及ぼしているおそれがある。廃棄物処理法や各リサイクル法に基づき、適切に処理している事業者との公平性を確保する観点からも、スクラップヤードの所在地の届け出、使用済み物品の運搬や保管に関する処理基準の設定等、必要な措置を講じるべきとの意見がある。

  2. (2)優良産廃処理業者認定制度の見直し
    認定業者がより選ばれるようにする観点から、認定基準の見直しを検討している。認定業者に対するさらなる優遇措置を講ずるべきだという意見も出されている。また、認定業者が要件に適合しない事態に至った場合に、認定を取り消すべきだという意見がある。

  3. (3)親子会社間における自ら処理の拡大
    経団連からの要望である「自ら処理の拡大」について、法的に位置づけられないか検討している。ただし、専門委員会には慎重な意見もある。一定の縛りは必要になろう。

  4. (4)その他
    自治体による流入規制や廃棄物の品目にかかる判断等、廃棄物処理法の運用が自治体によって異なる事項については、意見交換の場を設けるべきとの意見が出されている。また今後、インフラ更新等により増加するとの指摘がある建設廃棄物の再生利用、少子高齢化・人口減少社会を見据えた対応等についても議論している。

■ 今後の予定

今後、専門委員会で報告書案の議論を行い、パブリックコメント手続きを実施したうえで、年明けをめどに報告書をまとめたい。

【環境エネルギー本部】

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