1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2016年11月10日 No.3292
  5. 瀬戸内地域を視察

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年11月10日 No.3292 瀬戸内地域を視察 -広域連携、官民連携のあり方を探る/観光委員会企画部会

経団連の観光委員会は10月20日から21日にかけて、地域における観光振興策の検討の一環として、今泉典彦企画部会長を団長とする総勢16名の視察団を瀬戸内地域に派遣した。同地域は、しまなみ海道の出発地である尾道、瀬戸内国際芸術祭の中心地である直島等、外国人観光客に人気を博す観光資源を有するのみならず、「せとうちDMO」の設立等、積極的な広域連携が図られている。視察団は、推進役を担う関係者と懇談し、成功の要因や今後の取り組みを聞いた。

せとうちDMOとの懇談

湯﨑知事(右)と懇談する今泉部会長

広島市では、7県がまとまった「せとうちDMO」の推進要因等を把握するため、湯﨑英彦広島県知事、せとうち観光推進機構の村橋克則事業本部長、瀬戸内ブランドコーポレーションの水上圭社長らと懇談。「機構」と「ブランドコーポレーション」が明確な役割分担のもと、需要・供給を一体的に創造していることについて理解を深めた。また、湯﨑知事からは、「共有する観光資源の存在、参加者の認識共有、公共財整備における行政の役割の明確化等が重要」との指摘があった。

尾道市では、民主導で観光資源を磨き上げ、運営している事例として、空き倉庫を改装したサイクリスト向け宿泊施設 Onomichi U2、シェアオフィス Onomichi Share、瀬戸内海の周遊クルーズ船・水陸両用機等、せとうちホールディングスの取り組みを視察。各社幹部との懇談では、事業の要諦として、地域の理解を得て巻き込むことが重要との指摘を受けるとともに、規制緩和や官民連携の強化等についても要請があった。

直島町では、年間70万人の観光客が訪れる「ベネッセアートサイト直島」等の観光資源を訪問し、芸術祭の模様を視察するとともに、濱中満直島町長、金代健次郎福武財団事務局長と懇談。直島の成功要因として、(1)ボランティアの結成やアート作品制作への参加等、島の住民を巻き込み、理解を得ること(2)コンテンツづくりや情報発信は民間、受け入れインフラの充実や後方支援は行政という役割分担を明確化すること――を挙げた。

同部会では、今回の視察の成果を踏まえ、今年度末に予定されている観光立国推進基本計画の改訂への提言を取りまとめる予定である。

【産業政策本部】

「2016年11月10日 No.3292」一覧はこちら