経団連のアメリカ委員会企画部会(守村卓部会長)は9月21日、東京・大手町の経団連会館で米国サウスカロライナ州一行との懇談会を開催し、同州のビジネス環境について説明を聞くとともに意見交換を行った。冒頭、ウィリアムズ・サウスカロライナ州上院議員、マギル前サウスカロライナ州副知事からあいさつがあり、フレッチャー州商務副長官から、2015年7月、経団連訪米ミッション(団長=榊原定征会長)が同州を訪問したことへの感謝が表明された。フレッチャー商務副長官の説明の概要は次のとおり。
■ 日本企業との戦略的関係
サウスカロライナ州にとって日本は最大規模の貿易相手であり、輸出入関係は深化を続けている。特に航空機関連、自動車・自動車部品産業では、古くから戦略的な関係を構築してきた。80社以上の日本企業が州全域に進出し、その設備投資額は11年以降45億ドルに上り、現時点で1万3000人以上の現地雇用を創出している。現在も、日本の航空機部品、建設機械、自動車部品企業による大規模な新規投資が進行中である。
■ 理想的なビジネス環境
日本をはじめ外資企業が成功している理由は、ビジネス環境全般の優位性にある。ニューヨークとマイアミの中間に位置し、アトランタ、フィラデルフィア等、東海岸の人口密集都市をはじめ、多様な市場へのアクセスに優れ、水深拡張を進め大型船舶の入港が可能なチャールストン港など、良質なインフラを備えている。人口は増加傾向にあって労働力が豊富である。
■ ビジネス重視の政治と行政体制
州政府は均衡財政を堅持しており、歳入確保のため企業に追加の税負担をかけるおそれがない。歴代の知事と議会は、企業が州を支えるとの強い意識を持っており、州商務局は日本事務所とともに手厚い支援を提供している。日本企業にはぜひ、サウスカロライナ州へのさらなる投資を真剣に検討してほしい。
【国際経済本部】