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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年8月11日 No.3282 東京工業大学との「グローバル人材育成モデル・カリキュラム」を実施

グループ討議を行う学生たち

経団連では、企業の実務担当者を講師に迎え、グローバル・ビジネスの現状や課題に関する講義を通じ、学生にグローバル・ビジネスで働くことの動機づけを行うことを目的としたグローバル人材育成モデル・カリキュラムを実施している。特に理工系大学生を対象としたプログラムへの要望が強かったことから、2014年度から東京工業大学の協力を得て、将来産業界での活躍を志向する大学院博士後期課程学生向けの講座「グローバルリーダー教育院イノベーション人材養成機構発展研修プログラム」を開講している。

同講座は全3回・計15時間で構成されており、今年度はキヤノンの協力を得て6月から開講した。

Day1(6月25日)ではグローバル製造業の課題とIoT(Internet of Things)の活用をテーマに、長野敏幸映像事務機事業本部担当部長による講義が行われた後、「日本の製造業が、今後グローバルで競争優位を堅持し、第4次産業革命へ向けて日本型IoT活用を実施するためにはどうすべきか?」が課題として提示され、13名の学生が4グループに分かれて検討した。抽象的な課題を設定したのは、講座のコーディネーターを務める東京工業大学の古田健二特任教授の「課題設定能力を伸長すべき」という強い意向を受けたものである。

Day2(7月8日)では、学生がキヤノンのマザー工場や研究室などがある取手事業所(茨城県取手市)を訪問、製造現場を見学の後、若手技術者や研究者をファシリテーターとして、課題設定および解決に向けたグループ討議を行った。抽象的な課題に対して戸惑う学生に、若手研究者がキヤノンの取手工場、中国工場、タイ工場の比較をはじめ、具体的な実務経験を交えてアドバイスし、必要な調査項目や個別検証を例示するなど、今後の方向性を決める後押しをした。

そして、Day3(7月23日)では、企業人にアドバイスを仰ぎながら学生たちが課題解決に向けて最後の議論をした後、熱のこもったプレゼンテーションが行われた。学生からの発表に対し、企業人講師が質疑やコメントを行い、講座のアドバイザーを務めた楠元俊彦執行役員は「IoT活用というテーマは少々難解だったが、各グループが独自性のある課題を設定し、グローバルな周辺環境をとてもよく調べたうえで提案してくれたことに感銘を受けた」「Day2開始時は、課題設定すらできていないグループもあり少し心配したが、その後の若手研究者との討議や、学生の皆さんの自由な発想力により、最終的には素晴らしい内容となっており、感心した」と講義全体を通じた感想を語った。

最後に古田教授は、「課題解決ではなく、社会に出たときに大切になる課題設定に重きを置いた今年度のプログラムは、学生たちには難しいものとなったが、キヤノンの皆さまの多大なる協力によりとても有意義なものになった」と総括した。

なお経団連では、来年6月から5期目となる同講座を開講する予定。

【教育・スポーツ推進本部】

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