経団連では、企業の実務担当者を講師に迎え、グローバル・ビジネスの現状や課題に関する講義を通じ、学生にグローバル・ビジネスで働くことの動機づけを行うことを目的に、上智大学の協力を得てグローバル人材育成モデル・カリキュラムを実施している。2012年度から大学2、3年生向けの導入講座「グローバル・ビジネスの現状と課題」を、また導入講座を履修した大学3、4年生向けの応用講座「グローバル・ビジネスのフロンティア」を14年度から行っている。
15日には、東京・大手町の経団連会館で、今年4月から実施してきた本講座「グローバル・ビジネスのフロンティア」の最終講義が開催された。
同講座には今年度、経団連会員企業3社(第一生命保険、東日本旅客鉄道、富士通)が講師として参加。国際事業に携わる企業人による講義の後、上智大学の軽井沢セミナーハウスにおける企業担当者を交えた合宿討議、学生による参加企業訪問等が行われ、各社が実際に直面しているグローバル・ビジネスの課題について、25名の学生が6グループに分かれてその解決策を検討した。
各社の課題は、「第一生命(または、日系生命保険会社)が、グローバルトップ5水準となるための課題は何か?」「今後進出が期待されるプロジェクト(英国フランチャイズ、ジャカルタ首都圏鉄道、インド高速鉄道)をどのように進めるべきか。また、その他有望なプロジェクトをどのように獲得していくべきか」「Fujitsu do Brazilの経営戦略を立案せよ」と多岐にわたった。最終講義では、学生による熱のこもったプレゼンテーションが行われた。
学生の発表に対し、企業人講師が質疑や講評を行い、「社内商談検討会でみられるようなソリューションコンセプトの図まで出てくるなど、深掘りしてたどり着いたプレゼンに大変感銘を受けた」「中間発表時には少し心配したが、企業訪問やインタビューを重ね、素晴らしい内容となっており、感心した」と講義全体を通じた感想を語った。
最後に、講座のコーディネーターを務める上智大学経済学部の網倉久永教授は、「学生たちは、これまで接したことのなかったビジネスの現場を垣間見ると同時に、学生同士で互いに学び合う時間を共有することで、大きく成長できたようだ」と総括した。
◇◇◇
経団連では今年10月から5期目となる導入講座を開講する予定である。
【教育・スポーツ推進本部】