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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年7月28日 No.3280 「英語教育改革の現状と改善の方向性」を聞く -立教大学の松本教授から/教育問題委員会企画部会

経団連の教育問題委員会企画部会(三宅龍哉部会長)は8日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、立教大学経営学部国際経営学科の松本茂教授から、英語教育改革の現状と改善の方向性や産業界への期待について説明を聞くとともに意見交換した。

■ 英語力の到達目標と高校生の英語力の現状

まず松本教授は、政府が高校生の英語力の到達目標として、必修科目ではCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)(注)のA2レベル(実用英語検定準2級程度)、選択科目ではB1レベル(同2級程度)を設定しているものの、2015年度の高校3年生を対象とした英語力調査でこの目標に達した生徒の割合は少数にとどまっており、大多数の生徒が中学卒業レベルであるA1レベル(同3級~5級程度)に集中していると指摘(「話す」89%、「書く」82%、「聞く」74%、「読む」68%)。そのため「大学段階で海外留学するためには最低限、B2レベル(同準1級程度)の英語力が必要であることを考えれば、高校卒業までに英語力をB1レベルにまで引き上げることが不可欠」と訴えた。

■ 英語教育改善の動き

続いて松本教授は、英語教育の改善に向けた動きとして、(1)CEFRの枠組みを活用しつつ、初等中等教育の各段階で生徒に求められる英語力の達成目標を、「英語を用いて~ができるようになる」という観点から整理した「Can―Doリスト」の設定・活用の推進(2)20年度から実施が予定されている「大学入学希望者学力評価テスト」や各大学の個別入試の英語試験を、翻訳や文法中心ではなく、英語の4技能を問うものに改革(3)小学校における外国語活動の開始時期の前倒し(小学校3年生から)と高学年における教科化――等が実施されていることを説明。特に、高等学校においては、「英語で話すこと、書くこと、考えることを強化するための言語活動の充実や、発表(スピーチ・プレゼンテーション)、ディベート、討議、交渉などの活動を強化するため、科目の再編が行われている」と説明した。

■ 産業界への期待

また、国際経営学科のカリキュラムで、企業の協力を得て、留学生と日本人学生から構成される学生のグループが各社から提示された事業課題の解決策を英語で発表している様子をビデオで紹介しながら、「産業界には、このような大学と企業、中学・高校と企業が連携した授業づくりへのさらなる協力をお願いしたい」「採用時に企業が学生に求める最低レベルの英語の4技能の基準を示してもらえれば学生が英語を勉強する際の刺激になる」との期待を示した。

(注)CEFR=01年に英語運用能力の評価・比較基準として欧州議会が作成

【教育・スポーツ推進本部】

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