経団連は5日から7日にかけて、「アジア・アントレプレナーシップ・アワード2016」をフューチャーデザインセンター、三井不動産、東京大学産学協創推進本部、TXアントレプレナーパートナーズとの共催で開催した。
同イベントは、成長著しいアジアにおいて知恵や技術を駆使してチャレンジする若き起業家を集め、ベンチャー企業を育成・支援するエコシステムの構築を目指したもので、アジアを中心とする14の国と地域から選出された技術系ベンチャー企業27社がエントリーした。日本の投資家や専門家などによるエントリー企業へのメンタリングや、起業家同士の交流会を通じてグローバルビジネスの視点や人的ネットワークを広げる各種のプログラムを実施した。
最終日の7日には東京・大手町の経団連会館で全27社のエントリー企業がグループに分かれて英語でプレゼンテーションを行い、各社の事業の革新性、影響力、ビジネスの実行力などの観点において国内外の審査員による評価を受けた。
その結果、グランプリには入国審査用紙をデータ化し、空港での入国審査を迅速化するサービスを提供するマレーシアの BorderPass社が選ばれた。第2位は脳損傷の診断改善や早期発見の研究および臨床現場即時検査キットの開発を進めるロシアの DRD Biotech社が、第3位には慢性の背部痛、がん等の痛みを緩和するシステムの開発を進める台湾の Gimer Medical社がそれぞれ獲得するなど、いずれも強い技術に裏打ちされた国際競争力を持つベンチャー企業が選ばれた。
昨今、政府の「日本再興戦略2016」「ベンチャー・チャレンジ2020」等にも掲げられているとおり、新たな産業創出に向けて、高い技術力を持つベンチャー企業の育成や世界の起業家が集まる場を日本に形成していくことが求められている。経団連では、今回のイベントに集まったさまざまなベンチャー企業と引き続き連携を深め、アジア各国の起業家や民間企業の幅広いオープン・イノベーションの実現を目指した活動を推進していく。
【産業技術本部】