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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年3月3日 No.3260 OECD・BIACの活動に関する懇談会開催 -OECDの動向と日本政府の取り組み聞く

金杉氏

経団連は2月15日、東京・大手町の経団連会館でOECD・BIAC(Business and Industry Advisory Committee to the OECD)の活動に関する懇談会(座長=斎藤勝利OECD諮問委員長)を開催し、OECDの諮問機関であるBIACの最近の活動について日本代表委員から報告を聞くとともに、外務省の金杉憲治経済局長から、「OECDの今日的な意義と日本政府の取り組み」をテーマに説明を聞いた。説明概要は次のとおり。

■ 日本経済の成長を後押しする経済外交を目指して

政府は、「日本経済の成長を後押しする経済外交」という方針のもと、(1)日本経済の成長に貢献する取り組み(2)安心して住める魅力ある国づくり(3)国際的なルールづくりへの参画――の三本柱からなる経済外交を展開している。高いレベルの経済連携や資源外交は喫緊の課題として推進しつつ、中長期的な国益の観点から国際経済のルールづくりにも積極的に関与していく。

ルール形成の場としてG7/G20やAPEC、WTOなどさまざまなフォーラムがあるなか、OECDは志を同じくする(like‐minded)先進国で構成され、ベスト・プラクティスの共有を通じて「国際標準」を形成するという重要な役割を果たしている。

■ OECDは世界最大のシンクタンクとして経済秩序の構築に貢献

OECDは、国際経済社会の各種課題を研究・分析し各国政府に政策提言する「世界最大のシンクタンク」であり、加盟国間の政策協調のもと世界経済に関する将来のルールを先取りする「世界のスタンダード・セッター」として、第2次世界大戦後の経済秩序の構築に貢献してきた。

アンヘル・グリア事務総長のリーダーシップのもと、OECDは「Do Tank(行動するシンクタンク)」を標榜し、G20等の国際フォーラムとの相乗効果を追求している。例えば、2012年からスタートしたBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトでは、昨年11月にG20アンタルヤ・サミットに最終報告書が提出された。BEPSプロジェクトには、OECD、G20の枠組みを超えて95カ国・地域が参加し、16年までの多国間協定の策定を目指している。

また、昨年11月、高効率石炭火力の推進により気候変動対策に貢献するため、石炭火力に対する公的支援のあり方を見直し、OECD輸出信用アレンジメントの改正に合意した。今後は、同アレンジメントへの参加国の拡大が課題となっている。

■ アウトリーチを通じたOECDのグローバルインパクト強化に向けて

OECD加盟国と非加盟国との公平な競争条件を確保するために、OECD非加盟国に対するアウトリーチ活動が重要となっている。その一例として、日本が議長国を務めた14年OECD閣僚理事会において安倍総理が立ち上げた「東南アジア地域プログラム」が挙げられるが、同地域へOECDルールを拡大することは、日本経済の成長にも裨益し得るものである。

折しも今年、日本はG7サミットの議長国ならびにOECD閣僚理事会の副議長国を務めることとなっている。この機会をとらえて国際的なルールづくりを力強くリードしていきたい。

【国際経済本部】

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