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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年2月25日 No.3259 東海地方経済懇談会を名古屋で開催 -「経済再生を確実に実現する」をテーマに

あいさつする榊原会長

経団連と中部経済連合会(中経連、三田敏雄会長)、東海商工会議所連合会(東海連、岡谷篤一会長)は10日、名古屋市内で「東海地方経済懇談会」を開催した。経団連から榊原定征会長はじめ審議員会議長、副会長が、中経連および東海連からは三田会長、岡谷会長はじめ会員約250名が参加。「経済再生を確実に実現する」を基本テーマに意見交換を行った。

開会あいさつで東海連の岡谷会長は、東海経済は堅調に推移しているものの、景気回復を一層確実にするには、中小企業への波及や人手不足への対応が課題であるとの認識を示した。そのうえで、さらなる発展に向け、中小企業のビジネス拡大につながるような次世代産業の育成、国内外からの交流人口の拡大などに取り組んでいると説明した。

続いてあいさつした経団連の榊原会長は、アベノミクスにより、日本経済は緩やかながらも着実に回復しつつあるとしたうえで、経済の好循環を確実に実現するには、企業こそが経済成長を担う主役であるとの自覚のもと、デフレマインドから脱却して設備投資や研究開発投資の拡大、賃金の引き上げなど、企業の役割を最大限果たさなければならないと強調した。

意見交換

◇ 地域資源を活用した観光振興

その後、2つのテーマを設定して行われた意見交換では、まず「地域資源を活用した観光振興」に関する中経連および東海連の問題提起に対し、経団連から、(1)クルーズ観光を取り込んでいくことが次なる飛躍のカギであり、寄港地を利用した観光ルートの活性化に期待(石原邦夫副会長)(2)地域資源を最大限活用し経済を活性化するには、地域間の連携とともに、地域内の関係者がそれぞれの役割のなかで取り組みを継続することが重要(木村康副会長)(3)食や文化など、地域の魅力を積極的に発信することは、国内外の観光客の増加のみならず、その地域への移住、新産業の掘り起こしなど地域再生にも寄与する(荻田伍副会長)――と応じた。

◇ 産業競争力の強化と人材育成

また、「産業競争力の強化と人材育成」に関する問題提起に対しては、(1)次世代産業の育成には、それをやり遂げようとする気概を持つことが最も重要であり、加えて、知財戦略や国際標準化に積極的に関わることも必要(友野宏副会長)(2)産学官連携の取り組みである「とよたイノベーションセンター」は、幅広い産業構造の変革を促す「ソサエティ5.0」の実現に向けた産学官連携の典型例といえ、大変力強い動きである(中西宏明副会長)(3)地場産業もイノベーションを続けていかないと競争力を失うことを念頭に置きつつ、地域の特色やこれまでの歴史を活かし、地場産業が参画しやすい産学官連携の場づくりを進める必要がある(内山田竹志副会長)(4)リニア中央新幹線をはじめとする交通ネットワークの整備促進によって、わが国の競争力強化の牽引役として、東海地域が飛躍を果たす(岩沙弘道審議員会議長)(5)経済の好循環を実現し、競争力を強化するため、収益が拡大した企業には、設備投資や研究開発投資、雇用の拡大とあわせて、2015年を上回る年収ベースでの賃金引き上げに向けた前向きな検討が求められる(工藤泰三副会長)――と応じた。

最後に、古賀信行副会長から、同懇談会の基本テーマである「経済再生を確実に実現する」には、乗り越えなければならない課題が残されているとの認識とともに、中経連および東海連の取り組みが地方創生のモデルとなり、わが国経済再生の牽引役となることを期待するとのコメントがあった。

◇◇◇

名古屋大学ナショナル・イノベーション・
コンプレックスを視察する一行

経済懇談会に先立ち、一行は三田会長、岡谷会長とともに名古屋大学を訪問。松尾清一総長から、産学官連携によるイノベーションや社会的価値の創出などに取り組む総長プラン「NU MIRAI 2020」について説明を受けるとともに、産学官連携の実践の場であるナショナルコンポジットセンターとナショナル・イノベーション・コンプレックスを視察した。

【総務本部】

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