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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年11月26日 No.3248 第42回北陸地方経済懇談会を開催 -「豊かで活力ある日本へ~魅力あふれる北陸の創生」テーマに

経団連と北陸経済連合会(北経連、久和進会長)は11日、富山市内で「北陸経済情勢懇談会」と「第42回北陸地方経済懇談会」を開催した。

経済懇談会には、経団連から岩沙弘道審議員会議長をはじめ副会長らが、北経連から久和会長をはじめ会員約170名が参加。「豊かで活力ある日本へ~魅力あふれる北陸の創生」を基本テーマに意見交換を行った。

■ 北陸経済情勢懇談会

経済懇談会に先立ち開催された経済情勢懇談会では、経団連と北経連の首脳、北陸地区の主要企業が、北陸の経済状況や事業活動上の課題について意見を交換。開会あいさつで経団連の榊原定征会長は、今がまさに、デフレ脱却と経済再生を確実に実現するための正念場との認識を示したうえで、経団連として地方創生に優先的に取り組み、地方の現場の課題を今後の政策提言に活かしていくとした。

■ 北陸地方経済懇談会

経済懇談会の開会あいさつで北経連の久和会長は、北陸新幹線の開業効果は当初の予想を大きく超えているとしたうえで、効果をさらに高めるためには、大阪までのフル規格での早期全線整備が必要と強調した。

続いてあいさつした岩沙審議員会議長は、地方創生の旗手である北陸の地で意見交換をする機会を得たことは大変意義のあることであり、経団連としても北経連と連携して、地方創生に資する活動を積極的に展開していくとした。

■ 意見交換

◇ 社会インフラ整備促進と広域観光推進

その後、2つのテーマを設定して行われた意見交換では、まず「社会インフラ整備促進と広域観光推進」に関する北経連の問題提起に対し、経団連から(1)北陸新幹線の大阪への延伸は、効果的な広域連携実現の可能性を高める(工藤泰三副会長)(2)広域観光推進のため、政府に対しビザ発給要件の緩和などを求めるとともに、観光人材の育成に取り組む(荻田伍副会長)(3)ワーク・ライフ・バランスの実現により、観光を通じて地方とのつながりを深める機会を創出する(木村康副会長)(4)2020年東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムにおいて、文化資源にあふれた北陸でさまざまな取り組みが行われることを期待(飯島彰己副会長)――との意見があった。

◇ 産業競争力強化と地域力向上

また、「産業競争力強化と地域力向上」に関する問題提起に対しては、(1)北陸では地域の強みを生かした明確な産業ビジョンが示されており、心強く感じる(友野宏副会長)(2)社会実装・製品化のビジョンや課題を共有した本格的な産学官連携を推進すべき(内山田竹志副会長)(3)産学官連携のもと、データの2次利用に関するビジネスモデルを構築すべき(鵜浦博夫副会長)(4)稲作が盛んな北陸地方は農業についてもポテンシャルがあり、6次産業化などを通じて競争力強化を図る必要がある(十倉雅和副会長)(5)3世代同居や保育所の充実など、北陸は子育て環境が整備されており、学ぶべきところが多い(岡本圀衞副会長)――との意見があった。

最後に、古賀信行副会長から、活発な意見交換ができたと総括したうえで、北経連の取り組みが日本再興の成功モデルとなることを期待するとともに、経団連としても、全力で地方創生に取り組んでいくとのコメントがあった。

吉田YKK会長から本社機能移転について説明を受ける一行

翌12日には、黒部市内のYKK黒部事業所を訪問。地方創生のモデルケースとして注目される同事業所では、吉田忠裕会長CEOから、創業社長の企業精神である「善の巡環」(他人の利益を図らずして自らの繁栄はない)や、今年4月から順次移転している東京の本社管理部門の執務室などの紹介があった。その後、一行は建設中のR&Dセンターやパッシブタウン(社宅跡地の再開発事業であり、エネルギー消費を抑えた複合型賃貸集合住宅)、ファスナーや建材の製造工場を視察した。

【総務本部】

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