経団連の情報通信委員会企画部会(武山芳夫部会長)は9月17日、東京・大手町の経団連会館でルディアンタラ・インドネシア通信情報大臣との懇談会を開催し、インドネシアにおけるⅠCT政策を中心に説明を聞くとともに意見交換を行った。
経団連からは大八木成男日本・インドネシア経済委員長、武山企画部会長らが出席し、今年3月の両国首脳による「日本・インドネシア共同声明」においてICT分野が両国関係の重要分野に位置づけられたことに触れ、関係強化への期待を述べた。また、インターネット・エコノミー民間作業部会の横澤誠副主査が、アジアにおけるインターネット・エコノミーの未来に関する説明を行い、新たなビジネスの発展に向けて、データが自由で健全に国境を越えて移動する重要性を指摘した。
ルディアンタラ通信情報大臣の発言の概要は次のとおり。
■ インドネシアのICT政策
インドネシアでは、ブロードバンドの分野でASEANトップを目指してさまざまな施策を展開している。まずは大都市で固定ブロードバンドの整備を進めていく。モバイル通信に関しても、4G・LTEなど新たな技術を導入する。そして、光海底テーブルを全国に敷設して、地方と大都市を接続させる「パラパ・リング計画」も進行中である。日本企業の持つ技術への評価は高く、協力を期待している。
政府は経済成長にとってICT政策が非常に重要であると認識しており、サイバーセキュリティ、eガバメント、eコマース、放送などの分野への取り組みを推進している。
■ 日本との協力関係
日本はインドネシアの経済に最も大きな影響を与える国のひとつである。1990年代初頭にかけて多くの日本企業がわが国の通信産業に参画し、インフラ整備を行った。しかし、近年は中国や韓国などの勢いが増している。ICTや通信の分野で日本企業の知見を活かした協力が進展することを期待している。
また、これまで日本企業は製造業中心の参画であったが、今後はサービス面も含めたより一層の協力を求めたい。ICT政策を進めるにあたっても、いただいた意見を踏まえて日本との連携を深めていきたい。
11月23、24日には経団連ほか産業界から1000人規模の「日インドネシア文化経済観光交流団」を派遣予定と聞いており、楽しみにしている。経済的な面のみならず、社会的・文化的な面などさまざまな面で関係を強化していきたい。
【産業技術本部】