経団連は9月17日、訪日中のグエン・フー・チョン・ベトナム共産党中央執行委員会書記長一行を迎え、都内で昼食懇談会を開催した。経団連から、荻田伍副会長、高橋恭平審議員会副議長・日本ベトナム経済委員長、中村邦晴同委員長はじめ25名が出席。ベトナム側から、チョン書記長、ミン副首相兼外務大臣、ヴィン計画投資大臣、ホアン商工大臣はじめ20名の首脳が参加し、日本企業がベトナムで直面する課題をめぐり懇談した。
冒頭、荻田副会長は、ベトナムは消費市場としての魅力に加え、グローバルサプライチェーン戦略における事業拠点としての重要性がますます高まっており、経団連として、日越共同イニシアティブや政策対話などの取り組みを通じて、日本とベトナムの経済関係の拡大と深化に積極的に取り組んでいきたいと述べた。
これを受けてチョン書記長は、ベトナムにとって日本は最も重要なパートナーであると述べ、ベトナムの発展において日本企業が果たしてきた役割を高く評価するとともに、両国間経済協力のポテンシャルは引き続き大きいとして、さらなる協力に期待を示した。
続く懇談では、経団連側からベトナムでの事業展開に関する要望を伝え、チョン書記長ならびに関係大臣から次のとおり回答を得た。
- 2014年以降に制定された法律は、透明性と予測可能性の確保を前提につくられている。新投資法や新企業法など14年に国会で成立した法律の細則を10月までにすべて具体化するよう、関係省庁に強く指示した。
- ビジネス環境を15年中にASEAN後発6カ国中トップレベル、16年中にASEAN先進4カ国レベルに整備する目標を掲げている。
- 中小企業向けの工業団地(日本企業専用を含む)をつくるよう地方自治体に指示を出した。また、病院や学校などの社会インフラ整備に注力するほか、中小企業奨励法の施行を準備している。
- 特定業種の残業時間制限を緩和するよう国会で審議する予定である。
- 外国銀行による貸出規制の緩和を働きかけるとともに、出資規制についても外国資本が発行済み株式100%取得をできるよう検討中である。
【国際協力本部】