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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年6月25日 No.3229 第104回ILO総会へ代表団を派遣 -6月1日から13日までジュネーブで開催

日本使用者代表として演説する
得丸雇用委員会国際労働部会長

ILO(国際労働機関)の第104回総会が6月1日から13日まで、スイス・ジュネーブのILO本部・国連欧州本部で開催され、169カ国から4800名超が参加した。経団連(榊原定征会長)は、得丸洋・雇用委員会国際労働部会長を代表とする日本使用者代表団を派遣した。

今年の総会では、2016~17年ILO事業計画、予算案を承認したほか、技術議題として、(1)中小企業と雇用創出(2)インフォーマル経済からフォーマル経済への漸進的移行の促進(3)戦略目標「社会的保護」に関わる反復的討議――の3つのテーマに関して討議が行われた。(2)の議題については、討議の結果、圧倒的多数の賛成で勧告が採択された(各議題の詳細については、次号に掲載)。

なお、13日に開催されたILO理事会において、嘉治美佐子・在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使が、ILO理事会議長に選出された。

■ ガイ・ライダー・ILO事務局長開会演説

ILOのガイ・ライダー事務局長は、今次総会に報告書「The future of work Centenary initiative」を提出した。総会の開会式において、ライダー事務局長は、同報告書を踏まえ19年のILO創設100周年に向けて、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、労働移動、社会対話、労働安全衛生をはじめ「仕事の世界」が直面する数々の課題解決のため意欲的に取り組むとしたうえで、そのための具体的な活動として(1)政労使三者以外を含めた幅広い関係者との意見交換の実施(2)ILOにおけるハイレベル委員会の設置(3)19年ILO総会への報告書の提出――を表明した。

■ 得丸日本使用者代表演説

9日には、得丸部会長が総会本会議場において、日本の使用者を代表して演説を行った。得丸部会長は冒頭、経団連が1月に公表した経団連ビジョンのなかで、中長期的に解決すべき課題の1つに「誰もが活き活きと働ける環境の整備」を掲げていることを紹介した。そのうえで、雇用創出を促進するためには、企業が安心して投資できる環境の整備が不可欠であることをILO加盟国に訴えた。また、労働者保護と企業の生産性向上の両立に向けて、ILOが政労使に対する支援等に大きな役割を果たすべきと主張した。

なお、5日に古賀伸明・連合会長、10日に伊澤章・厚生労働省総括審議官がそれぞれ代表演説を行った。

■ 仕事の世界サミット

サティヤルティ氏

オランド仏大統領

総会議題の一環として、11日に「仕事の世界サミット」が開催され、14年のノーベル平和賞受賞者であるインドのカイラシュ・サティヤルティ氏、フランスのオランド大統領をはじめとする各国の関係閣僚、労使代表などが参加して、「気候変動と仕事の世界」をテーマに討議が展開された。

会合冒頭でILOのライダー事務局長は、気候変動によって社会的弱者の拡大等「仕事の世界」にも大きな影響が及んでいるとしたうえで、ILOとしても、環境に配慮した仕事の拡大を通じて気候変動問題に対応し、ディーセントで持続可能な雇用を広く世界に普及していくとあいさつした。

その後のパネルディスカッションでは、得丸部会長が日本の経済界として、環境にやさしい技術の海外移転を通じて気候変動問題に貢献を果たすとしたうえで、ILOが環境にやさしいインフラ整備や技術移転に向けて理解を深めるべきと会場から発言した。

また、サティヤルティ氏は基調講演のなかで、児童労働問題へのこれまでのILOおよび各国政労使の取り組みに謝意を示すとともに、経済成長と子どもに対する教育付与の双方の推進を通じて、児童労働の撤廃を図るべく、さらなる取り組みへの期待を表明した。

フランスのオランド大統領は、雇用の質の向上やディーセントな雇用の実現に向けて、政労使三者構成からなるILOがさらなる役割を果たすべきと発言するともに、気候変動対策について各国の協調した取り組みを求めた。

【国際協力本部】

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