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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年6月4日 No.3226 日本・ロシアフォーラムで佐々木日本ロシア経済委員長が基調講演 -日露ビジネスの展望など

日本ロシア・ビジネスフォーラムで講演する佐々木委員長

5月21日、「日本・ロシアフォーラム」(毎日新聞社・ロシア新聞社共催。日露両国政府、経団連ほか後援)が都内で開催され、日本経済界代表として、佐々木則夫経団連副会長・日本ロシア経済委員長が参加した。
佐々木委員長は、来日したセルゲイ・ナルイシキン・ロシア下院議長やセルゲイ・カチャエフ極東発展副大臣等に続き講演を行い、日露経済関係に関する現状認識や互恵的・重層的な関係の構築に向けた展望を示した。
講演の主な内容は、次のとおり。

■ 日露経済関係に関する現状認識

昨年の日露貿易は対前年比6.3%の伸びを示した。ロシアから日本への輸入は過去最高の2兆6000億円に達したが、その一方で、ルーブル安やインフレ等に伴うロシア国内の消費マインドが低迷したことなども影響し、日本からロシアへの輸出は1兆円を割り込み、リーマンショック後、初めての減少となった。

ロシアにとって日本は輸出・輸入とも6位の相手国である一方、日本にとってロシアは輸出で14位、輸入で12位にとどまっている。しかし、両国の経済力や市場規模、地理的な近接性等に鑑みれば、日露貿易には拡大の余地がある。

■ ロシア・ビジネスに対する日本企業の見方

ロシアは2012年8月の世界貿易機関(WTO)加盟後、ビジネス環境の改善に取り組んでいる。世界銀行によるビジネス環境ランキングでは、12年の120位から15年には62位へと順位を伸ばした。

その一方で、多くの日本企業が昨年後半の急激なルーブル下落の影響を否定的にとらえている。具体的には、消費マインドの落ち込みや売り上げ減少、仕入価格、原材料・部材の価格の上昇、資金繰り悪化といった財務面での悪影響を指摘する企業が多い。

■ 互恵的・重層的な日露関係の構築に向けて

経団連が昨年実施したロシア・ビジネスに関するアンケートでは、回答企業の58%が「極東地域は将来有望」と回答している。これは、極東開発へのテコ入れを図るロシア政府の方向性と軌を一にするものである。

こうしたなか、ロシアでは極東発展省が中心となり、優先的発展区域制度を含む投資促進政策を導入している。今年2月にハバロフスク市はじめ極東の3区域が優先的発展区域に選定されたほか、ウラジオストク港を自由港とする法案が3月に公表され、自由貿易区域の設置や外国人の入国ビザ免除、優遇税制の適用等の措置が掲げられている。

今後、極東をゲートウェーとしつつ、イノベーションを通じた経済の近代化を目指すロシアと日本が連携し、個別のプロジェクトを橋渡しするグランドデザインをいかに描いていくかが重要な政策課題である。

今年は折しも、日本ロシア経済委員会の前身である日ソ経済委員会発足から50周年という記念すべき年でもある。経団連としては、日露政府やロシア経済界との連携のもと、引き続き日露経済関係の拡大と深化に向けて取り組んでいく。

【国際経済本部】

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