G7サミット(ドイツ・エルマウ)を6月7、8日に控え、5月19、20の両日、ドイツのベルリンでG7ビジネス・サミット(B7サミット)が開催され、経団連からは榊原定征会長、中西宏明副会長、宮永俊一次期副会長が参加した。
2007年にドイツ産業連盟(BDI)がG8サミット参加国・地域の経済団体に呼びかけて始まったB8サミット。今年は政府にあわせてB7サミットとして開催された。19日はシュタインマイヤー外相を来賓に招き夕食会、20日は朝食会で世界および各国・地域の経済情勢に関して意見を交換。その後、連邦議会、首相府、財務省を訪問し、ラマート連邦議会議長、メルケル首相、ショイブレ財務相とそれぞれ懇談した。メルケル首相との懇談の際には、B7として取りまとめたコミュニケ(声明書)をグリロBDI会長から手交、引き続き同コミュニケをB7側から説明するとともに、意見交換した。
朝食会における懇談において、榊原会長は、日本経済は12年末の安倍政権の発足を機に徐々に回復しつつあり、今年第1四半期の成長率は年率2.4%を記録したことを紹介。安倍政権の経済政策パッケージは成果を挙げており、14年は消費税率引き上げの影響でマイナス成長となったが、個人消費は上向いており、企業業績も改善、失業率は3%半ばと説明。今後、円安・原油安も手伝って回復を続け、世界経済に貢献するとの見通しを紹介した。
メルケル首相との懇談においては、上記コミュニケの「原材料=資源の安定供給と有効活用」について、榊原会長が、資源輸入国である日本の立場をも踏まえて、資源の安定供給の重要性を強調。具体的には、中国のレアアースを含む原材料の輸出制限措置について、WTO紛争解決手続きのもとですべての制限措置が最近撤廃されたものの、WTO協議要請から3年を要したことを例に挙げ、コミュニケに盛り込まれている輸出制限に関するWTOルールの改訂の必要性を説明した。
さらに、資源の効率的利用に関して、経団連の環境自主行動計画に基づく、産業廃棄物最終処分量およびCO2排出量の削減実績を紹介したうえで、一層の効率的利用の促進には革新的な技術開発が不可欠として、コミュニケでは、政府に対して革新的な製品・製造工程ならびにそれらの応用に関する民間の取り組みに対する政府の支援を要請している旨を説明した。
【国際経済本部】