経団連の榊原定征会長は6日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。
冒頭榊原会長は、年末のCOP21を見据え、政府が新たなエネルギーミックスと温暖化対策に関する削減目標を検討するなか、経団連が同日公表した3つの提言等のポイントを説明した。
まず2030年に向けた低炭素社会実行計画を世界に先駆けた日本の経済界の取り組みとして、51業種の協力を得て策定。経済界は同計画にもとづき地球温暖化問題の解決に向け、主体的かつ積極的に取り組むとの方針を示した。
次に、エネルギーミックスに関する提言では、低廉で安定的に発電できるベースロード電源の比率を欧米並みの6割にすべきとしており、今後の政府検討へ反映すべく働きかけていくと述べた。
また、温暖化対策に関する提言では、2030年の日本の温室効果ガス削減目標はエネルギーミックスを踏まえたものにするとともに、国際公平性・実現可能性・国民負担の妥当性の確保を求めていると述べた。また、気候変動問題の解決に向け、地球規模での長期的な取り組みが必要であり、海外での削減や革新的技術開発も重要であることから、約束草案の策定にあたっては、これらをパッケージとして取りまとめるべきとした。
次に今般の労使交渉状況に関連し、日本経済の好循環の2巡目をまわすためには、中堅・中小企業やサービス業の賃上げにつながる環境整備が必要として、経団連としても今年の経営労働政策委員会報告で取引の適正化の重要性を指摘するなど、会員企業への周知に努めていると説明。今後、各種会合や地方経済懇談会等の機会を活用し、全国各地の企業に呼びかけていくとともに、機関誌・紙を通じた周知活動も展開すると述べた。
また、7~9日に派遣予定のインドネシア・ミッションについて、ASEANの経済統合が進むなか、天然資源、人的資源に恵まれたインドネシアは消費市場としてのみならず、製造業のサプライチェーンにおける拠点としての重要性が高まっていると指摘。特に、インドネシア政府が重要方針として掲げる質の高いインフラ整備、外国企業の投資誘致、輸出拡大、地方振興、海洋立国という重要テーマについて、わが国経済界としても、積極的にかかわり、二国間の経済関係のさらなる深化に貢献していくとの考えを示した。
【広報本部】