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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年3月19日 No.3216 「日EU規制協力に関する提言」を公表 -EPA締結後の将来を見据えて

経団連は17日、「日EU規制協力に関する提言」を公表した。日EU経済連携協定(EPA)については、安倍首相が今年中の大筋合意を目指すとしており、この目標に向けて交渉が行われている。提言は、EPA締結後の将来をも見据えて取りまとめたもの。「規制協力」とは、環境・安全・健康等にかかる規制が各国・地域で異なることによって生じるコストを極力減らすために当局同士が協力することを指す。
提言の概要は次のとおり。

■ 今、なぜ規制協力か

経済のグローバル化が進むなかにあって、正当な理由から行われる規制の目的を損なうことなく、貿易投資に及ぼすマイナスの影響を最小限にとどめるには、規制・制度の整合性・透明性を確保するとともに、規格・基準の調和・相互承認等の規制協力を進める必要がある。わが国としても、環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)交渉で規制協力に取り組んでいるEUや米国に後れることなく規制協力を主導し、成長につなげていくべきである。

■ なぜEUと協力するのか

EUは、基本的価値観を共有するパートナーであることに加えて、世界最大の単一市場であることなどを背景に規制を他国にも広めていく力がある。そこで、EUと手を携えていくことによって、第三国を含めたグローバルな規制協力において、わが国が主導権を発揮することが可能である。

また、規制協力の推進はEPAなくして困難である。提言に盛り込まれた規制協力にかかる措置等のうち、合意できるものはEPAに盛り込む一方、EPA締結後も引き続き議論が必要な問題については、継続的に協議できるような仕組みをEPAに規定すべきである。規制協力の制度的基盤としても、EPAの早期締結が求められる。

■ 分野横断的事項

分野横断的な規制協力として、(1)規制の策定にあたり、相手方の規制手法、関連する国際基準ならびに対外的な影響等を考慮すること、また、規制を導入・改変する場合、他方に対してデータとともに通報・協議し、早期に意見照会を行うこと(2)規格・基準の統一・調和、相互承認等を進めること(3)規制協力を推進するため、日EU双方の官民が参加する仕組みをEPAに規定すること――などを求めている。

■ 個別分野の取り組みの方向性

提言では、自動車、化学など各業界における日EU EPAに関するこれまでの取り組みと成果ならびに規制協力の方向性についても言及している。規制協力については、総じて日EUおよび米国が協力を進めることによって新興国を含めた第三国にも規制・制度の整合性や規格・基準の調和を促していこうという方向性が見て取れる。また、個人情報の保護、欧州特許制度の統一、模倣品等の取り締まり、EUの紛争鉱物規則に関する取り組み等、各業界に共通する個別分野の方向性についても提言している。

■ 新たな経済秩序構築の起点として

日EU規制協力は、途上国を含む高水準の多角的自由貿易投資体制を2030年までに確立するという経団連ビジョンで示した新たな経済秩序構築の起点となる重要な課題である。提言に沿って規制協力を推進することによって、日EU EPAを従来のEPAとは異なる、メガEPAにふさわしい協定にすると同時に、今年中の大筋合意を確実なものとする必要があるとし、日EU官民挙げて取り組みを本格化・加速化すべきであると最後に強調している。

※提言の全文は http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/024.html 参照

【国際経済本部】

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