経団連(榊原定征会長)は19日、東京・大手町の経団連会館で石破茂地方創生担当大臣との懇談会を開催した。内閣府からは石破大臣、平将明副大臣、小泉進次郎大臣政務官ほか幹部らが、経団連からは榊原会長、岩沙弘道審議員会議長、副会長、および各地経済連合会会長らが出席した。
冒頭、榊原会長は、「日本経済は安倍政権の一連の経済政策により、緩やかながら着実に回復軌道をたどっているものの、個人消費は力強さを欠いた状態が続いている。デフレ脱却と経済再生にとって大事な時であり、政・官・民が力を合わせて政策を総動員することが重要」と指摘。そのうえで、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の遂行など、石破大臣のリーダーシップに強い期待を表明するとともに、経済界としても、地方経済の再生を最重要課題として、地方経済団体とも連携を密にして取り組むと述べた。
続いて石破大臣は、「今回の取り組みは今までとは異なるもの。地方創生の実現には、現状に対する強い『危機感』を国全体で共有するとともに、政府の本気度を国民に実感してもらうことが重要」と指摘。「今後、すべての自治体でビジョンと戦略を策定することとなるが、その際、地域の産業界、大学、金融機関、労働団体、マスコミも一体となった『産学官金労言』の連携により進めるとともに、KPI(重要業績評価指標)をきちんと設けたうえで、PDCAサイクルを機能させていくことが不可欠。産業界の積極的な協力をお願いしたい」と述べた。
その後、地方の中核企業の競争力強化・産業集積、地方経済の牽引役である農林水産業や観光産業の振興、原子力発電所の再稼働、新幹線や幹線道路等のインフラ整備、企業の地方拠点強化、地方への移住促進等をめぐり、活発な意見交換が行われた。
【産業政策本部】