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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年1月22日 No.3208 グローバルに活躍できる理工系人材育成に向けた国立高専の取り組み聞く -教育問題委員会企画部会

経団連は12月16日、東京・大手町の経団連会館で教育問題委員会企画部会(三宅龍哉部会長)を開催し、茨城工業高等専門学校の日下部治校長から、グローバルに活躍できる理工系人材の育成に向けた国立高等専門学校の取り組みについて説明を聞いた。それに先立ち、グローバル人材の定義や育成上の課題について、グローバル人材戦略研究所の小平達也所長から説明を聞くとともに懇談した。

■ グローバル人材の定義と採用・育成における課題

小平氏はまず、グローバル人材の定義には、個人の素質や能力に着目するものと、個人の組織における役割や勤務地に着目するものがあることを指摘したうえで、前者の定義では、「第一に、どの国・地域に行っても共通して、リーダーやマネージャーに求められる役割を理解する能力、第二に、対人理解力、柔軟性、関係構築力など語学力やコミュニケーション能力、第三に、現地の文化、労働慣行、商慣行などを理解する異文化適応力の三つの能力が求められる」と述べた。

また、日本人社員のグローバル・キャリアパス形成における課題として、「マネジメント経験の少ない、もしくは全くない30代から40代の社員が、事前の研修も受けずに、海外で日本よりも高いポジションや権限を持ち、いきなり異文化マネジメントを執行するケースが多いこと」を指摘し、駐在員への赴任前・赴任後の研修の重要性を訴えた。

外国人留学生の採用に関しては、2012年に日本企業に就職した留学生の8割を中国、韓国、台湾などの漢字圏出身者が占める一方、インド人の技術系人材の占める割合は0.2%にすぎないなど、「外国人人材は、自然体で日本で採用できる人材と、海外の大学までリクルーティングに赴く必要のある人材に分かれる」と指摘した。

■ グローバルに活躍できる理工系エリート人材を輩出する高専教育

続いて、日下部氏から、国立高専に関して、「大卒より安価な人材供給源であるとか、高専生は英語が苦手で教養教育も不足しているなどの誤ったイメージがあるが、高専は学校教育法1条校として認可された高等教育機関であり、各地の優秀な15歳人口を受け入れ、5年間もしくは7年間の一貫した技術者教育を行い、グローバルに活躍できる理工系エリート人材を輩出している」との説明があった。

また、51校の国立高専を設置する国立高等専門学校機構によりグローバル高専モデル校に指定されている茨城高専では、(1)グローバル化時代にふさわしい教養力の習得(2)MOOCs(Massively Open Online Courses)などのグローバル教育資源の活用(3)多様性の理解や批判的思考力をベースにしたグローバル発信力の養成――の三つを柱に、英語による授業や研究発表、キャンパス環境のグローバル化を加速しているとの紹介があった。最後に日下部氏は、「産業界はさまざまな教育提言を行っているが、それらの実現には、産業界からのより積極的な教育投資と教育参画が必要である」と訴えた。

【社会広報本部】

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