経団連の企業行動委員会社会的責任経営部会(小口正範部会長)は12月17日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、ロイド レジスター クオリティ アシュアランス リミテッドの冨田秀実事業開発部門長から、ISO20400(持続可能な調達)の概要と開発状況について聞くとともに、意見交換を行った。
講演の概要は次のとおり。
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2010年のISO26000発行により、社会的責任に対する国際的なコンセンサスが形成された。企業を含めたあらゆる組織は、その決定や活動(製品、サービスおよびプロセスを含む)が社会に及ぼす影響に対して責任を担っており、国境を越えて展開されるサプライチェーン、バリューチェーンに対しても、その影響力を適切に行使することが求められる。
こうしたなかISO(国際標準化機構)は、12年10月に設置したPC277(Project Committee 277)において、あらゆる組織の調達機能に社会的責任の内容を統合させるための規格ISO20400の策定作業を進めている。
同規格は、ISO26000を調達行為に展開するためのガイダンスとして位置づけられており、認証規格やマネジメントシステム規格ではない。14年6月から9月にかけて委員会第2次原案(CD2)に対する投票が行われたが、これは反対多数により否決されている。その後、11月のシンガポールでの国際会議では、「持続可能な調達」の定義が合意されたほか、CD2を改訂のうえ、再度提案することが確認されており、今後検討が本格化することが予想される。
規格策定が順調に進めば、17年春ごろに国際規格として発行される見込みである。20年の東京オリンピックは、本規格発行後最初のオリンピックとなるため、オリンピックにおける調達についても本規格を考慮する必要が出る可能性がある。日本企業が使いやすい規格となるよう、国内の意見集約を進め、日本として規格の策定に積極的に関与する必要がある。
【政治社会本部】