アベノミクスは着実に成果を上げ、デフレからの脱却が視野に入りつつある。本年は、日本経済が本格的な成長軌道に復するか否かの正念場である。政府、企業、国民それぞれが、この機会を逃せば日本の再生はないとの危機意識を共有し、まさに国を挙げて、政策や手立てを総動員していかなければならない。
先の総選挙の結果は、国民がアベノミクスをはじめとする安倍政権の政策を支持し、継続を求め、今後の成果に期待していることを示している。安倍政権には、引き続き経済再生を最優先に、震災復興の加速、規制改革、社会保障制度改革、法人税改革、エネルギーの安定供給と経済性の確保、地方創生、女性の活躍推進、TPPはじめ経済連携協定の推進など、山積する重要政策課題に全力で取り組んでいただきたい。財政健全化の道筋を改めて内外に明示することも不可欠である。経済界としても、企業収益の拡大を、設備投資や雇用の拡大、賃金の引き上げに繋げていくよう最大限の努力をする。
また、経団連は、変化の激しい難しい時代であるからこそ、中長期の日本を展望した国家ビジョンが必要であるとの問題意識から、2030年に向けて目指すべき国家像を描いた経団連ビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生」を年頭に公表した。その中では、日本のあるべき姿として、「若者が日本国民であることに誇りを持ち、チャレンジ精神を発揮し、希望ある未来を切り拓いていける国」、「世界から信頼され、尊敬される国」を謳い、その実現に向けて、政府、企業、国民が取り組むべき課題を具体的に提案した。本年は、このビジョンで描いた経済・社会の実現に向けて、着実な一歩を踏み出す年にしたいと考えている。
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