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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年11月21日 No.3155 戦略的なクルーズの振興に向け提言公表 -新たな旅行文化の振興により、地域の活性化と雇用創出を図る

経団連は15日、「クルーズ振興に向けた提言」を公表した。

近年、アジア地域では、経済成長に伴う所得の増大に船の大型化による旅行商品の低価格化が加わり、クルーズ人口が急激な増加を続けている。乗客が3000人に上る大型クルーズ船は、1回の入港当たり1億円以上の経済効果があるとの試算もあり、中国や韓国の主要港湾では新たな旅客ターミナルの整備が進むなど、わが国周辺では競争が激しさを増している。

こうしたなか政府においても、2013年6月に閣議決定した「日本再興戦略」のなかで、大型クルーズ船に対する入国審査の迅速化・円滑化や外国クルーズ船社に対応するワンストップ窓口(国土交通省港湾局に設置)の周知等を進めることとされた。

提言では、上記の戦略の迅速かつ着実な実施を求めるとともに、わが国が変化に富む島々や、海岸線をはじめとする美しい景観などの強みを生かして国家戦略としてクルーズ観光を振興し、地域の活性化と雇用創出、経済社会の発展につなげていくべきことを訴えている。

■ 政府が取り組むべき事項

提言ではクルーズ振興策を「政府が取り組むべき事項」と「国・地方・官民が連携して取り組むべき事項」の二つに整理。

「政府が取り組むべき事項」では、さらに多くの外国人旅行者を国内に呼び込むとともに、観光・買い物などできる限り国内で有意義な時間を過ごしてもらい、日本を満喫してもらえるよう、(1)入国手続の簡略化・迅速化・円滑化(2)ビザ(査証)の発給要件の緩和・見直し(3)消費税免税制度の抜本的な見直し――を提言した。

あわせて、クルーズ振興に関する体制強化と関係機関との連携を図るため、現在国土交通省に設けられているワンストップ窓口に、クルーズ振興全般に関する政策立案・総合調整機能を付与することも訴えている。

■ 国・地方・官民が連携して取り組むべき事項

また、さらなるクルーズの振興を図るため、国・政府・官民が連携して取り組むべき事項として、(1)ハード・ソフト両面でのインフラ・受け入れ体制の整備(大型クルーズ船が頻繁に寄港する港湾での埠頭・旅客ターミナルの整備、地域の魅力を体感できるツアーの開発・提供など)(2)有給休暇の活用による長期休暇の取得促進と経済界の協力(3)海からの視点による日本各地の新たな魅力の発掘・磨き上げ・発信――の三つを提案している。

◇◇◇

今後経団連は、この提言をもとに、将来的にはアジア地域での観光交流の拡大に向け、近隣諸国とも連携することを視野に入れつつ、まずは適宜、政府・与党や地方自治体、観光関係者との対話を行うことで、国家戦略としてのクルーズ振興への流れづくりに取り組んでいく。

※提言の全文はホームページ(http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/095.html)参照

【産業政策本部】

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