1%(ワンパーセント)クラブ(佐藤正敏会長)は10月22日、「プロボノセミナー~企業人の強みを活かす社会貢献活動の一手法として」を開催した。
プロボノとは、企業人が仕事上のスキルやノウハウを活かしてNPO等を支援する社会貢献プログラムで、企業の強みを活かした手法として関心が高まっている。今回、1%クラブでは「国際プロボノ週間2013」にあわせてセミナーを開催することで、企業と企業人の社会貢献活動への参加のすそ野拡大を目指した。なお、会合開催にあたり、プロボノプログラムの運営や実施支援を行っているNPO法人、サービスグラントの協力を得た。
■ 基調講演=プロボノをめぐる現状と今後の課題
まず基調講演では、サービスグラントの嵯峨生馬代表理事が、プロボノの現状を紹介した。嵯峨氏は、プロボノの支援領域は、ウェブやパンフレット等による情報発信にかかわる支援だけでなく、ファンドレイジングや業務改善、事業戦略など多岐にわたっており、それに伴い参加者の職種も企業のあらゆる部門に及んでいることを指摘。また、自治会向けや遠隔地向けのプロボノ、1日で完結する気軽なプロボノといった新しいタイプの手法があることも紹介した。
さらに、プロボノプログラムは本業とうまく親和した質の高い支援が行えるため、企業の戦略的CSRの実践に役立つとともに視野の広がりや人脈の形成といった参加者の仕事にも役立つなど、企業がプロボノにかかわるメリットを示した。
■ 事例紹介
続いて、実際に会社ぐるみでプロボノプログラムを実施した事例として、(1)日本電気(フェアトレードジュエリーを制作・販売するHASUNAを支援)(2)日本マイクロソフト(東日本大震災からの復興支援を行うSAVE TAKATAを支援)(3)パナソニック(小児がん患者家族の支援を行うファミリーハウスを支援)――3社の取り組みが紹介された。
プログラムに参加した社員は活動を振り返りながら、業務時間外にプロボノを行うルールのもとで時間を確保することの苦労や、プロボノ支援先に専門用語を使わずわかりやすく説明することが大切だという気づきにつながったこと等を語った。あわせて、会社がプロボノ活動の場を用意してくれたことはありがたかったと所感を述べた。
一方、支援を受けたNPOの担当者からは、自分達の抱える問題が可視化され、解決のプロセスを間近で見られたことが役立ったとの感想が示された。そのうえで、プロボノ参加者、NPO担当者、プログラムを推進した社会貢献担当者それぞれから、プロボノ活動が一層広がっていくことを期待したいとの声があがった。
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その後のトークセッションでは、基調講演・事例紹介の登壇者のほか、プロボノ支援を受けている団体として荒川クリーンエイド・フォーラム、モンキーマジックの関係者も加わり、出席者との間で熱心な質疑応答がなされた。
【政治社会本部】