経団連の社会貢献推進委員会(古賀信行委員長、佐藤正敏共同委員長)と1%(ワンパーセント)クラブ(佐藤正敏会長)は15日、「2012年度社会貢献活動実績調査結果」を公表した。
今年度の調査では、「支出調査」「制度・意識調査」のほか、3年ぶりに「事例調査」を実施し、400社超から回答を得た。調査結果の概要は次のとおり。
■ 1社平均支出額は約4.5億円
12年度の社会貢献活動支出額は1社平均で4億4600万円となった。震災関連支出を除いた額でみると、4億1000万円(前年度比10.5%増)となっている。
分野別支出では震災前に1位だった「教育・社会教育」が再び1位となった。被災地支援については、東日本大震災からの復興に関連して143億円が支出された。
■ CRM実施・実施予定企業は約3割
グループの社会貢献活動の把握状況では、把握内容に差はあるものの、約8割の企業がグループ企業の社会貢献活動の取り組みを把握している。
また、寄付金つき商品のように、社会的課題の解決と利益拡大の両立を目指すマーケティング手法であるCRM(Cause Related Marketing)については、約3割の企業が実施または実施予定である。実施の主なねらいは「他社商品・サービスとの差別化」で、社会貢献部門以外の担当者が企画を主導する傾向がみられた。
活動にあたり重点分野を設定している企業は約3分の2に上り、企業理念や経営方針、創業者の意向を判断材料とする企業が多い。なお、事業拠点やマーケット所在地を対象とした活動であるかを考慮する企業は、国内向け活動の場合9割超、海外向け活動の場合7割超となった。
■ 継続的な支援の事例を収集
さらに今回は、事例調査で得られた約1000の社会貢献取り組み事例を、「事例集」として取りまとめた。個別の事例では、各社の経営方針や事業分野に沿った内容、地域社会とのつながりを意識したものが目立った。また、東日本大震災における被災者・被災地支援について約200の事例が寄せられ、継続的な企業人ボランティアの派遣や現地NPO等に企業の持つ製品やサービス等を提供するといった、本業を活用した継続的な支援の実態が明らかになった。
※ 調査結果および事例集の詳細はホームページ(http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/084.html)に掲載。
【政治社会本部】