経団連は3日、東京・大手町の経団連会館で、第7回日本ミャンマー経済委員会(勝俣宣夫委員長、小林健共同委員長)を開催し、経済産業省貿易経済協力局の村崎勉戦略輸出交渉官から、ティラワ経済特別区開発を中心に、現在のミャンマー経済情勢と日ミャンマー経済協力関係について説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。
■ ミャンマーの概況
ミャンマーにおいて特筆すべき特徴は、6400万人の人口、安価なワーカー賃金、親日感情の3点である。テイン・セイン政権発足後の改革の進捗を見ると、ミャンマーの改革の意志は確かであろうと感じている。
貿易面では、タイ向けの天然ガス輸出が貿易黒字の源泉であったが、現在は中古車および石油製品輸入量が急増し、収支が拮抗している。中古車の大半は日本車である。石油製品では生産設備が十分でないため、ディーゼル燃料やガソリンを輸入している。
■ ティラワ経済特別区開発
開発予定地は、ヤンゴン中心市街地から23キロメートル先にあり、工業団地・商業区域・住宅区域の整備が順調に進んでいる。テイン・セイン大統領は2015年までの開業を強く望んでおり、これに応えるため、円借款を活用し、ガスパイプライン・変電所・高圧送電線・配電線・新港湾の建設など、周辺のインフラ整備を進めていく。
ミャンマーへの進出を検討する日本企業にとって最大の懸念事項の一つが電力不足である。そのため、ティラワ経済特別区においては、(1)ヤンゴンの既存発電所のリハビリや新規建設によりヤンゴンの電力供給能力を増強すること(2)ティラワ経済特別区専用のバックアップ電源を整備すること――を考えている。
<懇談>
出席者からは、ティラワ経済特別区における電力確保への日本政府の支援をあらためて求める意見や、電力と同様に重要な水資源確保のインフラ整備に日本政府が積極的に取り組むことを求める意見が出された。これに対し村崎交渉官から、「ティラワ進出を検討する際の具体的な要望を寄せていただければ、日本政府として全力でサポートしたい」との回答があった。
【国際協力本部】