経団連は、会員企業における女性の活躍支援や推進等に関する二つの実態調査を実施し、7月29日に公表した。
経団連ではかねて女性の活躍推進に関わる各企業の取り組みについて実態把握を進めていたところ、今年4月19日に安倍首相から経済界に対し、(1)「指導的地位に女性が占める割合が2020年で30%」とする政府目標の達成に向けて、全上場企業において積極的に役員・管理職に女性を登用するとともに、役員に1人は女性を登用すること(2)育児休業等の取得を希望する社員には子どもが3歳になるまでそれらを取得しやすいような環境を整備すること――の要請があった。そのため、首相要請に関わる事項について追加調査を行った。
各調査の概要は次のとおり。
■ 「女性活躍支援・推進等に関する調査」
女性の活躍支援や推進に関わる取り組みについて、90.6%(307社)の企業が実施しており、その目的としては「優秀な人材の確保・定着のため」との回答が多い。具体的には、育児・介護に関わる諸制度(法定を上回るもの)や「キャリア支援に関するセミナー・研修」「各種サポート制度の情報提供」との回答が多く寄せられた。
また、女性の活躍に関する取り組み状況や計画等を自主的に公表している企業は57.2%(194社)で、主な公表項目は「女性従業員数または比率」「女性管理職数または比率」である。
■ 「女性活躍支援・推進等に関する追加調査」
女性役員の状況については、30.7%の企業(107社)に女性役員が登用されており、このうち約3分の1の企業(37社)では複数の女性役員が存在している。また、89.1%の企業(310社)で女性が管理職に登用されている。
育児休業制度に関しては、64.1%の企業(223社)が法定を上回る措置を実施しており、このうち、子どもが3歳になるまで(子どもが3歳以上も含む)の育児休業期間を設定している企業は36.3%(81社)で、回答企業全体の23.2%に当たる。また、短時間勤務制度に関して法定を上回る措置を実施している企業は71.3%(248社)で、そのほとんどの企業(96.8%、240社)が3歳までという法定の期間を超える期間の利用を可能とする制度を整備している。なお、「女性のキャリア形成の観点からは、育児休業期間の延長よりも育児をしながら働く環境整備が重要」との意見も散見された。
詳細についてはホームページを参照。
※URL=http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/072.pdf
※URL=http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/073.pdf(追加調査)
【労働法制本部】