経団連、日本商工会議所(岡村正会頭)、日印経済委員会(飯島彰己委員長)の3団体は5月28日、東京・大手町の経団連会館で、マンモハン・シン・インド首相歓迎昼食会を開催した。昼食会では、米倉弘昌経団連会長の歓迎あいさつに続き、シン首相が次のとおり発言した。
インドと日本の経済関係の進展
インドの経済発展における日本の貢献は非常に大きく、インドの産業の近代化に主要な役割を果たしてきた。日本は空前の大災害に見舞われたが、不屈の精神で立ち向かい、最近の日本経済の回復について、インドをはじめ世界は高い関心を持っている。
インドの経済成長の現状
インドの第12次5カ年計画(2012~17年)では、弱者と環境に優しい社会づくりと、持続可能な経済成長を目指している。ここ数カ月、インド政府は経済活性化、財政健全化に向けてさまざまな政策を打ち出している。日本と協力して進めているデリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC)をはじめ大型インフラのプロジェクト等についても、規制がその進捗を妨げることのないよう規制緩和を進めている。
日印関係の今後の展望
インフラ分野での協力強化に加え、太陽光発電、クリーン・エネルギー、再生可能エネルギー、ガス・ハイドレート、液化天然ガス等、エネルギー分野での協力強化に期待している。また、人材育成分野についても、若年層の雇用機会確保のため、既存の協力関係をより発展させたい。
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その後の意見交換では、次のような発言があった。
複雑な間接税体系の改善につながる物品サービス税(GST)の導入の見通しに関する質問に対し、シン首相からは、「各州が持つ徴税権を弱め、全土で統一した税制を導入するには困難が伴うが、インド政府はGSTの導入を決定しており、遅くとも14年までには導入できると確信している」と回答した。
また、インドにおける外国金融機関の規制緩和を求める意見に対しては、「インドの都市部での邦銀の支店開設はインド経済にとってプラスであり、日本企業、金融機関のプレゼンス向上に向け、ビジネス環境整備を進めたい」との回答があった。
【国際協力本部】