経団連は4月23日、東京・大手町の経団連会館で、フランスのモントブール生産復興大臣との懇談会を開催した。米倉弘昌会長、渡辺捷昭副会長、中村芳夫副会長・事務総長、山口範雄審議員会副議長、伊東信一郎審議員会副議長、日覺昭廣知的財産委員会共同委員長ら経団連幹部が出席した。懇談会でのモントブール大臣の発言概要は次のとおり。
■ 安倍政権の経済政策を高く評価
安倍政権による日本経済の再生に向けた「三本の矢」の政策を評価しており、欧州の中央銀行も見習うべきだと考えている。アベノミクスのもたらす効果を含め、今後の日本経済の動向について期待を持って注視していきたい。
■ 日仏産業協力ならびに対仏投資のさらなる拡大を期待
日仏企業間では、すでに効果的な産業協力の取り組みが複数進んでいる。例えば、ルノーと日産自動車の提携では、両社は互いのアイデンティティーや文化を尊重しながら技術協力や販売協力を進めており、両国の市場のみならず世界市場を相手にビジネスを行っている。もう一つの事例として、アレバと三菱重工業の提携があげられる。両者の合弁会社はトルコの原子力発電所建設を受注する方向であり、ベトナムでも受注を得る可能性がある。フランス政府としては、こうした産業協力に大いに期待をしており、さらなる推進のため引き続き側面支援を行っていく方針である。
また、政府としては、フランスを投資先として選んでくれた企業のニーズを十分踏まえるようにしたいと考えており、「Say Oui to France」という新たな投資誘致政策を展開している。競争力ある投資環境を実現するために、税負担の軽減をはじめ、さまざまな政策を遂行している。先般、労働市場の改善に向けた労使合意も成立した。
■ 日EU経済連携協定(EPA)交渉では相互主義を重視
日EUEPAの締結に向け、両者の間で合意が比較的容易な分野と、合意に至るにはかなりの難航が予想されるセンシティブな分野がある。フランスやドイツにとっては、自動車がセンシティブな分野としてあげられる。日EUは、相互主義に基づき交渉を進める必要があり、EUの関税引き下げと日本の非関税障壁の撤廃をセットで実現することが肝要である。
【国際経済本部】