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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年4月11日 No.3127 チダンバラム・インド財務相が講演 -日本企業のインドへのさらなる投資を望む

講演するチダンバラム財務相

経団連は2日、東京・大手町の経団連会館でチダンバラム・インド財務大臣の講演会を開催した。経団連からは、庄田隆南アジア地域委員長はじめ南アジア地域委員会委員、アジア・大洋州地域委員会委員らが出席した。
講演の概要は次のとおり。

1.インド経済の現状

インドは2004年以降、8%から9%台の成長率を維持してきたが、直近は減速しており、12年度は5~5.5%と推計されている。世界平均と比較すると高い実績ではあるが、インドが国内政策を展開していくためには十分ではない。過去の実績を踏まえた潜在成長率はより高いと推計されており、以前の高成長を達成していく必要がある。

インドが抱える大きな問題は、(1)大規模な財政赤字(2)高いインフレ率(3)インフラの未整備――である。財政赤字については、現在のGDP比5%台から、毎年0.6ポイントずつ引き下げ、16~17年には3%台にする目標を立てており、達成できると考えている。

インドのインフレの主な要因は、石油・石炭・食糧品の輸入物価が高騰していることであるが、食糧の高物価のためになかなか下がらない消費者物価は、小麦等の増産により、今後徐々に低下していく見通しである。

また、インドには膨大なインフラ需要があり、向こう25年間、道路・鉄道・港湾・空港・橋梁等に加え、学校・病院等、あらゆる分野への投資が必要である。そのため、日本の協力のもとに進めているDMIC(デリー・ムンバイ間産業大動脈構想)と同規模のプロジェクトが並行して走っている。

2.外資誘致の取り組み

昨年8月の財務大臣就任以降、投資の障害となっているさまざまな制度の改正等を通して、外資誘致政策を進めてきた。その一環として、首相を議長とするインフラプロジェクトを推進するための閣僚委員会を今年1月に発足させ、外資誘致にかかわる障害の除去に取り組んでいる。

誘致策の目玉は、投資控除制度の導入と外国人投資家に対する債権投資規制の簡素化である。

また、インフラ債券ファンド(注)の活用も奨励している。株式市場も整備されており、インドは間接投資でも安全で魅力的な国となっている。

■ 意見交換

意見交換では、経団連側からインドの複雑な税制の改善を求めたところ、大臣から「中央政府の所得税と比べて複雑な州税は、GST(物品サービス税)の完全導入を目指して簡素化を進めている。13年中には実現できると考えている」との回答があった。

(注)インフラ債券ファンド(IDF)=インフラプロジェクトに向けた国内外の投資家からの長期借り入れを確保するための試み。満期5年以上の債券を発行し、買い取り保証付き・最低1年間の商業運営実績のあるPPP(官民パートナーシップ)プロジェクトの負債性証券だけに投資する。

【国際協力本部】

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