1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2013年3月21日 No.3124
  5. 環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕2012年度フォローアップ調査結果公表

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年3月21日 No.3124 環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕2012年度フォローアップ調査結果公表

経団連は19日、環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕2012年度フォローアップ調査結果(2011年度実績)を取りまとめ公表した。同計画のフォローアップを毎年度行うことで、循環型社会の形成に向けた産業界の主体的な取り組みを推進している。

同計画では、産業界全体の目標として「2015年度の産業廃棄物最終処分量を2000年度実績から65%程度減」を掲げている。また、各業種の目標として、産業廃棄物最終処分量に加え、業種の特性や事情等を踏まえた適切な指標がある場合には、独自の目標を掲げている。調査結果の概要は次のとおり。

■ 2012年度調査結果の概要

2011年度の産業廃棄物最終処分量(32業種)(注)の実績は約592万トンとなった。これは、基準年である2000年度実績(約1815万トン)から約67.4%減の水準であり、同計画の目標水準を上回った。

業種別独自目標については、35業種が掲げた。産業廃棄物の再資源化率の向上や事業系一般廃棄物の削減など、各業種の努力が反映される実態にあった目標を掲げることで、効果的に取り組みが行われている。

東日本大震災による被災地の一刻も早い復興という観点から、がれき撤去の促進に取り組んだ業種も存在する。例えば、がれきの処理場や仮置き場のための用地の提供、がれき処理施設の建設、がれき処理事業の受託、がれき処理ボランティア活動の支援などの取り組みが行われた。

■ これまでの取り組みの評価と今後の課題

前述のような産業廃棄物最終処分量の大幅削減は、廃棄物等の分別徹底、技術開発・用途開拓による副産物の製品化など、産業界の努力によるところが大きい。ただし、2008年度以降については、景気低迷による生産活動の落ち込みや、公共事業削減による建設工事の減少という要因もある。特に、今回の調査対象である2011年度については、東日本大震災の影響もあったものと考えられる。

現在の環境技術水準や法制度のもとでは、これ以上の削減が困難な業種も多い。加えて、国内のセメント需要の縮小等により、廃棄物・副産物の受け入れ先の拡大はますます厳しくなっている。そのため、景気動向等によっては、今後の最終処分量が増加する可能性がある。

こうしたなかでも産業界は、今後も産業廃棄物最終処分量の削減をはじめ、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の一層の推進に向け、引き続き努力する。政府においても、現在の技術水準・法制度のもとでは、3Rの一層の推進が限界に近づいていることに鑑み、法制度の運用改善・見直しや政策的支援が不可欠である。

(注)環境自主行動計画参加業種=電力、ガス、石油、鉄鋼、非鉄金属製造、アルミ、伸銅、電線、ゴム、板硝子、セメント、化学、製薬、製紙、電機・電子、産業機械、ベアリング、自動車、自動車部品、自動車車体、産業車両、鉄道車両、造船、製粉、精糖、牛乳・乳製品、清涼飲料、ビール、建設、航空、通信、印刷(以上32団体が、産業界全体の産業廃棄物最終処分量算出の対象業種)、住宅(住宅は建設と重複するため、建設の内数扱いとし、加算せず)、不動産、工作機械、貿易、百貨店、鉄道、海運、銀行、損害保険

【環境本部】

「2013年3月21日 No.3124」一覧はこちら