経団連は8月30日、東京・大手町の経団連会館で情報通信委員会高度情報通信人材育成部会(重木昭信部会長)を開催し、総務省情報流通行政局の佐藤安紀情報通信利用促進課長、文部科学省高等教育局の内藤敏也専門教育課長、ならびに東京大学大学院情報理工学系研究科の萩谷昌己研究科長、國吉康夫教授らから、高度ICT人材育成に向けた取り組みについて説明を聞き、意見交換した。概要は次のとおり。
■ 総務省の遠隔教育システム開発実証
総務省は、ICTの利活用ができる人材をICTを用いて育成するため、10大学と連携し、クラウドコンピューティングを利用した遠隔教育システムの開発・実証を行った。今後は、高等教育機関でのシステムの普及・展開を図るための取り組みに着手する。
■ 文科省の実践教育ネットワーク形成
文部科学省は、2010年までに実施したIT人材育成の実績と課題を踏まえ、産学連携による全国的なネットワーク形成事業を実施する。全国の学生・大学・企業の参加を促し、実践教育の全国への普及展開を図る。
■ 東大のリーダー人材育成
東京大学大学院情報理工学系研究科は、ICTを基軸に複数の専門分野を統合し、新たな価値をもたらすトップリーダーの育成を目指し、独自の教育プログラムを準備している。優秀な社会人の学生としての参加、インターンシップ・講師派遣などについて産業界の協力を期待している。
東大情報理工学系研究科と高度情報通信人材育成部会の間で設置したワーキンググループの参加委員からは、「深いレベルで社会に影響を与える可能性がある」「明確な目的意識をもって入学する社会人学生が重要だ」との期待が表明された。
<意見交換>
委員からは、「実践教育を継続的に行う必要があり、定着するような取り組みが必要」「学生自身も危機感を感じて、学ぶ現場を改善しようとしており、こうした動きを吸い上げるとよい」などの意見が出された。
【産業技術本部】