経団連(米倉弘昌会長)は13日、タイのバンコクで、第3回アジア・ビジネス・サミットを開催した。アジア・ビジネス・サミットは、経団連が提唱し立ち上げたものであり、2010年から毎年開催している。今回のサミットは、タイ商業・工業・金融合同常任委員会(JSCCIB)の申し出により、初めて日本以外の地での開催となった。
今回より、民主化の進展が著しいミャンマーから、商工会議所のウィン・アウン会頭が参加することとなり、当日は、アジア12の国・地域から14の経済団体が参加。討議の結果を共同声明として取りまとめた。
◆ サミットの開催趣旨
力強さを欠く米国の経済成長、予断を許さない状況が続く欧州の債務問題を背景に、世界経済の先行きに不透明感が増すなかで、世界の成長エンジンとしてのアジア経済への期待はますます高まっている。アジアの民間の力によって、閉塞感が広がる現状を打開することを目指し、地域経済協力の推進、イノベーションの促進、インフラ整備をはじめとする重要な政策課題について、率直な意見交換を行うため、アジア各国・地域の経済界のリーダーが一堂に会した。
討議結果を共同声明に取りまとめ
◆ 共同声明
サミットの成果は、共同声明として取りまとめられた。概要は次のとおり。
- 2020年のアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の完成に向け、TPP、ASEAN++などの地域の取り組みを推進する。
- アジア地域のエネルギーの安定的な確保とその効率的な利用に向けて、協力して取り組む。省エネ技術の普及に向け連携し、すべての主要国が責任を持ってCO2の削減に取り組み、公平で実効的な次期国際枠組の構築に協力する。
- イノベーションを生み出すためには、高度な技術を有する人材の交流促進や、アジア発の規格や規制の標準化と世界への展開・普及が重要である。
- 将来の成長基盤を形成するために、アジア域内においてインフラを整備するべきである。官民連携スキームの整備、二国間オフセット・メカニズムの導入について、アジア経済界が積極的に取り組む。
- アジア域内に災害に強いサプライチェーンを構築するために、協力する。
なお、共同声明本文は、経団連ホームページ(URL=http://www.keidanren.or.jp/policy/2012/050.html)に掲載している。
◆ 今後の対応
参加経済団体は、共同声明に基づき、各エコノミーの当局に提言を行うこととなっている。経団連としても、アジア・ビジネス・サミットの提唱団体として、引き続き積極的に携わっていくとともに、自ら率先して、共同声明に基づいた活動を展開していく。
なお、次回のサミットは、インド工業連盟(CII)がホストとなり、来年のしかるべき時期にインドで開催される予定である。
【国際協力本部】