経団連事業サービス(米倉弘昌会長)は22日、東京・大手町の経団連会館で、次世代の産業界を担う経営リーダーの育成を目指す年間研修講座「経団連フォーラム21」(チーフアドバイザー=米倉経団連会長・住友化学会長)の第23期開講式を行った。開講式には、今期メンバー29名とともに、米倉チーフアドバイザー、高橋忠生アドバイザー(日産自動車特別顧問)、同フォーラムの修了生代表らが出席した。
米倉チーフアドバイザーがあいさつ
冒頭、あいさつした米倉チーフアドバイザーは、「これまで日本企業は、社会が抱える課題に正面から取り組み、改善と創意工夫、技術革新を重ねて次々に新しい解決策を提示していく『課題解決型イノベーション』を推進し、成長につなげてきた」と述べ、わが国が持続的な経済成長を実現していくうえで、今後もイノベーションが最も重要なカギを握っているとの考えを示した。あわせて、「グローバル競争が厳しさを増すなか、いろいろな国の人たちと競い合い、協力しながら、世界を舞台に活躍できる、優れた『グローバル人材』の育成が重要である」と指摘した。最後に、「鋭い感性で世界の変化をつかみ取り、国や文化の違い、会社や組織の仕切りを飛び越えて社内外の人たちと力を合わせて課題の解決に取り組み、革新的なアイデアを生み出していくことができる、優れたグローバル人材のモデルとなってほしい」とメンバーを激励した。
次に、高橋アドバイザーが、「フォーラムは『歴史観』『地勢観』『構造観』の三つの視点を身に付けるチャンス。企業の枠を越えたネットワークづくりに励んでほしい」とあいさつした。
続いて、修了生代表として、第22期修了生の関洋・出光興産常務執行役員経営企画部長と佐藤篤史・中外製薬CSR推進部長が登壇。「自らテーマを設定し、受け身にならず能動的にアクションを起こしていくという気構えで臨んでほしい」とエールを送った。
最後に、今期メンバーが自己紹介を兼ねて抱負を述べた。
経団連フォーラム21は、米倉会長がチーフアドバイザー、高橋氏と寺島実郎・三井物産戦略研究所会長、山内昌之・明治大学特任教授がアドバイザーを務める。来年3月までの約1年間、企業経営、国際関係、政治・経済、歴史、芸術など広範な分野で、毎月各界の第一人者の講演を聞き討議を行うほか、洋上での合宿研修、海外視察などを実施する。
【経団連事業サービス】