当社は、広告ブランディングコンサルタント業として1990年7月に設立された会社である。戦後の日本は、物資不足から、ものづくり大国へ道を歩んできたことは周知の事実だ。当社が設立された1990年はバブルの絶頂期であり、戦後続けてきたものづくりの頂点を日本が世界的に凌駕していた時代である。そのような中で、次の時代の取るべき成長戦略は日本というブランド価値を世界に発信していくことこそ最重要課題であるとして設立に至ったものである。

ものづくりは、最終的には生産コストの安い地域に覇権を取られてしまう。もちろん先行者利益はあるにせよ、プラザ合意以後の円高ドル安によって、徐々に日本の先行者利益は勢いを失った。ものづくりには、先行者利益以外にも品質や性能といった価格だけで判断できない優位点もある。そういった意味で、生産コストが安いだけで覇権を奪われるものでもないのも事実である。しかしながら、プラザ合意から35年以上がたち、日本以外の生産拠点もノウハウや品質を蓄積し獲得してきているのも事実である。ものづくりのみの競争では他国に遅れをとってしまうことが、この日本の失われた30年で証明されたと思えて仕方ない。

当社の仕事は、顧客との多くのディスカッションを通して、単純に品質やコストだけの価値観で判断されない商品、つまり唯一無二のブランドづくりとは何なのかを作り上げていくところにある。