持続可能な社会の実現に向けて
経団連は、持続可能な社会の実現に向け、Society 5.0の推進を通じたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の達成を目指し、「企業行動憲章」を改定した。 1990年代に加速したグローバリゼーションは世界経済の発展に大きく貢献したが、その一方で、多くの地球規模の課題も生み出してきた。
経団連は、持続可能な社会の実現に向け、Society 5.0の推進を通じたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の達成を目指し、「企業行動憲章」を改定した。 1990年代に加速したグローバリゼーションは世界経済の発展に大きく貢献したが、その一方で、多くの地球規模の課題も生み出してきた。
経団連は、Society 5.0の実現に組織を挙げて取り組んでいる。それは国連の掲げる世界共通の課題、SDGsの達成とも軌を一にする取り組みである。今般の「企業行動憲章」の改定は、SDGs到達への道標を提示することにもつながっている。 本座談会では、憲章改定の背景、目指す社会の姿(SDGsが達成された社会)、マルチステークホルダーとの連携などをつぶさに検証し、持続可能な社会の実現に向けて求められる企業行動のあり方や経営トップの役割などを議論する。
遠藤信博(経団連審議員会副議長/日本電気会長)
2013年に「社会価値創造型企業への変革」を宣言、2014年に「NEC Vision」を策定し、6つのメガトレンドと7つの社会価値創造テーマを選定した。この方向性はSDGsが目指すものと軌を一にしており、われわれの取り組みがSDGsとリンクし始めたことで、一層加速したと感じている。一企業が提供するソリューションでは、SDGsが目指す地球規模の課題解決は難しい。さまざまなステークホルダーとのパートナーシップやコラボラティブワークが必要である。
黒田かをり(CSOネットワーク事務局長・理事)
SDGsが掲げた目標は企業の参加なしには達成不可能である。企業には、イノベーションや新たなビジネスモデルの開発だけでなく、人権・労働・環境・腐敗防止などに配慮した、責任ある行動が求められる。一般的に人権尊重はコストとしてとらえられがちであるが、働き方の改革、ダイバーシティ、インクルージョンなどの取り組みは、企業価値の向上に直結する。課題発見、課題解決のためには、企業とNPO・NGOとのパートナーシップが重要になるだろう。
二宮雅也(経団連企業行動・CSR委員長/損害保険ジャパン日本興亜会長)
「持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム」に際し、企業の参画意欲の高さとビジネス機会としての認識、SDGs推進に向けた企業のイノベーションへの期待などを実感した。このような動向を踏まえ、企業行動憲章の改定によって、企業に主体的な行動を促している。国内外への発信、企業間の情報共有、連携・協働の機会づくりなど、経団連のさらなる活動を検討していきたい。
蟹江憲史(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
SDGsが生まれた背景には、MDGsを後継し深化する仕組み、地球環境の悪化への対応、新たな社会動態の出現などが挙げられる。日本におけるSDGsの取り組みは、最初の一歩を踏み出したものの、今後、さまざまなレベルでアクションを起こしていくことが求められる。ボーダーを超えて行動を取りやすい企業やNPO・NGOなど民間の活動を促進する仕組みが必要だろう。滋賀県をはじめSDGsに活路を見いだそうとする地方自治体の動きにも注目したい。
森川典子(司会:経団連企業行動・CSR委員会企画部会長/ボッシュ副社長)
ボッシュ本社では、SDGsに関して経営トップのコミットメントやレポートもあるが、それでも社内浸透は難しいと感じる。社員一人ひとりに認識してもらうには、さまざまな工夫や努力が必要だろう。日本企業においても、社員が日常で取り組む仕事のなかに、SDGsと関連付けできるものがたくさんある。母校の立命館大学で、学生たちがSDGsの認知を高める活動をしており、若者と企業がコラボレーションできることは良い発信となる。
持続可能な開発目標の達成に向けての日本産業界への期待
アミーナ・J・モハメッド(国連副事務総長)
SDGs達成に向けた日本政府の取り組み
鈴木秀生(外務省地球規模課題審議官)
サステナブル滋賀×SDGs
―持続可能な滋賀づくりへ向けて
三日月大造(滋賀県知事)
インタビュー
福島発 障がい者協働プロジェクト
~ここで仕事をつくる、未来をつくる
富永美保(しんせい事務局長)
SDGsに向けた行動のための青写真
―産業界による対話、パートナーシップ
ノリン・ケネディ(米国国際ビジネス評議会(USCIB) バイス・プレジデント)
企業行動憲章
―改定の視点
企業行動憲章の改定に至る背景と主なポイント
三宅占二(経団連企業行動・CSR委員長/キリンホールディングス名誉相談役)
持続可能な社会の実現に向けた産業界のアクション
関 正雄(経団連企業行動・CSR委員会 企業行動憲章改定タスクフォース座長/損害保険ジャパン日本興亜CSR室シニアアドバイザー)
企業行動憲章改定の視点から~社会的課題の解決に資するイノベーション
―三菱電機の取り組み
大隈信幸(三菱電機専務執行役)
国際的な原則に沿った人権の尊重
―ANAホールディングスの取り組み
高田直人(ANAホールディングス取締役執行役員)
サステナビリティ重要課題への挑戦が経営戦略の中核
―三菱商事グループにおけるSDGsの経営への統合
戸出 巌(三菱商事取締役常務執行役員・コーポレート担当役員)
日韓経済関係のさらなる強化に向けて議論
―全経連首脳との懇談会を開催
榊原定征(経団連会長)
【提言】
わが国ならではの地球温暖化対策のあり方
―今後の地球温暖化対策に関する提言
http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/077.html
木村 康(経団連副会長・環境安全委員長/JXTGホールディングス会長)
小堀秀毅(経団連審議員会副議長・環境安全委員長/旭化成社長)
法人税20%でビジネスを。沖縄へめんそーれ
日下正周(内閣府政策統括官(沖縄政策担当))
日本のエネルギー情勢の現状と課題 (6)
原子力発電所で使い終わった燃料はどうなるのか?
(電気事業連合会)
これからのヘルスケア (2)
日本の健康課題解決をビジネスチャンスに
(ルネサンス)
経営者のひととき
“ワグネル・トーン”に魅せられて!
立石文雄(オムロン会長)
Essay「時の調べ」
「怖い絵」から生まれた美術展
中野京子(作家・独文学者)