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月刊 経団連  座談会・対談 持続可能な社会の実現に向けた企業行動のあり方

森川典子
司会:経団連企業行動・CSR委員会企画部会長
ボッシュ副社長

蟹江憲史
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

二宮雅也
経団連企業行動・CSR委員長
損害保険ジャパン日本興亜会長

黒田かをり
CSOネットワーク事務局長・理事

遠藤信博
経団連審議員会副議長
日本電気会長

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遠藤信博(経団連審議員会副議長/日本電気会長)
2013年に「社会価値創造型企業への変革」を宣言、2014年に「NEC Vision」を策定し、6つのメガトレンドと7つの社会価値創造テーマを選定した。この方向性はSDGsが目指すものと軌を一にしており、われわれの取り組みがSDGsとリンクし始めたことで、一層加速したと感じている。一企業が提供するソリューションでは、SDGsが目指す地球規模の課題解決は難しい。さまざまなステークホルダーとのパートナーシップやコラボラティブワークが必要である。

黒田かをり(CSOネットワーク事務局長・理事)
SDGsが掲げた目標は企業の参加なしには達成不可能である。企業には、イノベーションや新たなビジネスモデルの開発だけでなく、人権・労働・環境・腐敗防止などに配慮した、責任ある行動が求められる。一般的に人権尊重はコストとしてとらえられがちであるが、働き方の改革、ダイバーシティ、インクルージョンなどの取り組みは、企業価値の向上に直結する。課題発見、課題解決のためには、企業とNPO・NGOとのパートナーシップが重要になるだろう。

二宮雅也(経団連企業行動・CSR委員長/損害保険ジャパン日本興亜会長)
「持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム」に際し、企業の参画意欲の高さとビジネス機会としての認識、SDGs推進に向けた企業のイノベーションへの期待などを実感した。このような動向を踏まえ、企業行動憲章の改定によって、企業に主体的な行動を促している。国内外への発信、企業間の情報共有、連携・協働の機会づくりなど、経団連のさらなる活動を検討していきたい。

蟹江憲史(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
SDGsが生まれた背景には、MDGsを後継し深化する仕組み、地球環境の悪化への対応、新たな社会動態の出現などが挙げられる。日本におけるSDGsの取り組みは、最初の一歩を踏み出したものの、今後、さまざまなレベルでアクションを起こしていくことが求められる。ボーダーを超えて行動を取りやすい企業やNPO・NGOなど民間の活動を促進する仕組みが必要だろう。滋賀県をはじめSDGsに活路を見いだそうとする地方自治体の動きにも注目したい。

森川典子(司会:経団連企業行動・CSR委員会企画部会長/ボッシュ副社長)
ボッシュ本社では、SDGsに関して経営トップのコミットメントやレポートもあるが、それでも社内浸透は難しいと感じる。社員一人ひとりに認識してもらうには、さまざまな工夫や努力が必要だろう。日本企業においても、社員が日常で取り組む仕事のなかに、SDGsと関連付けできるものがたくさんある。母校の立命館大学で、学生たちがSDGsの認知を高める活動をしており、若者と企業がコラボレーションできることは良い発信となる。

  • ■ 憲章改定の背景、目指す社会の姿 ~SDGsが達成された社会
  • SDGsが生まれた背景 ~経済・環境・社会の変化
  • 「誰一人取り残さない」というメッセージに共感
  • ■ 持続可能な社会の実現に向けて求められる企業行動のあり方、経営トップの役割
  • 社会価値創造の取り組みがSDGsとリンクし始めた
  • 社会変革のためのリスクを引き受ける
  • 人権課題への取り組みは企業価値を高める
  • ■ マルチステークホルダーの連携
  • もっと民間の活動を促進する仕組みが必要
  • 日本企業は、もっと国際会議で発表するべき
  • ■ 今後の取り組み
  • 「○○×SDG」という切り口で見えてくるもの
  • 新しい社会を志向する人たちの共通言語として
  • 企業間、業界間の壁を越えた連携・協働が不可欠
  • SDGsは世界が取り組むべき唯一の方策

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