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月刊 経団連  巻頭言 日本型ビジネスモデルの創造

鵜浦博夫 (うのうら ひろお) 経団連副会長/日本電信電話社長

オリンピック・パラリンピックイヤーである来年に向けて、各所でさまざまなスポーツが盛り上がりを見せている。私もリオデジャネイロにおけるトップアスリートの活躍を今から楽しみにしている。リオが終わると次は東京である。まだ4年も先と言う人もいるが、私はあと4年しかないと少し焦りも感じている。

東京オリンピック・パラリンピックは、日本が世界の注目を浴びる千載一遇の好機である。また、2020年に向け、政府はもちろん民間も含めたオールジャパンによるさまざまな取り組みが進むことになる。これは日本型のビジネスモデルを生み出す絶好の機会でもある。

それでは、日本型ビジネスモデルとは一体どのようなものか。日々、自問自答しているのだが、「共存共栄」がキーワードになるのではないだろうか。

例として、地方自治体をハブとしたビッグデータの活用を考えてみたい。自治体は自らが持つ人口等の統計データと、企業が提供する人流データを集積・匿名化し、オープンデータとして公開する。ベンチャー企業をはじめ、さまざまな企業や団体がこうした地域特性を有するビッグデータを共有・活用し、新たなビジネスやサービスを創造する。こうしたかたちで、自治体がハブとなり情報を集積することで、企業がそれぞれ個別に取り組むよりも、量の面でも質の面でもはるかに価値あるデータが生まれる。また、情報を提供する側にとっても、個人情報保護・セキュリティー確保といった面で安心感が増すだろう。

ICT(情報通信技術)の発展により業種・業態の壁は取り除かれたが、同時に一企業がサービスのすべてを支えることは困難な時代になった。これからは、自治体・大学なども含めた多様なコラボレーションが必要になる。このようなコラボレーションは、サービス創造のスピードを加速するとともに世界市場へのチャレンジも可能にしてくれるはずだ。

2020年には日本選手の活躍とあわせ、日本企業の力も世界に示せるように努めていきたい。

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